(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

「統合失調症」は永遠に解けない謎なんかではない

統合失調症者は了解不能である。永遠に謎である。医学は頑強にそう言い張ってきました。しかしほんとうに統合失調症者は理解できないのでしょうか。人間に、理解され得ないものなど果してほんとうにいるのでしょうか。「統合失調症」と診断されたひとたちが、実は簡単に理解され得ることを、「症例」をもちいて確認します。また、簡単に理解できるはずであるにもかかわらずなぜ医学にはそのひとたちのことが理解できないのか、その理由を探ります。

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(10/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10 ◆(精神)医学は統合失調症である でも(精神)医学には、Aさんのようなひとたちのことがまったく理解できてきませんでした。みなさんと違って、(精神)医学には、Aさんたちのことを理解するだけの…

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(9/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10 ◆すべての場面で起こっていたことは何か さて、ここまで、場面を5つに分けて見てきました。どの場面でもAさんの身におなじことが起こっていたのが確認できましたよね。まず、Aさんのもっている「自…

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(8/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10 ◆場面5 そして最後にAさんはこう言って、話を締めくくっていましたね。 いわゆる病気の症状としての被害妄想は、いまでも全然変わっていないし、治ってもいません。いまでも、買い物に行ってもひそひ…

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(7/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10 ◆場面4 こうして急速に居場所がなくなってきたAさんはついに家のなかでも、従業員たちのことを気にするまでになります。 居たたまれなくなり「この人たちから逃げたい」と思いましたが、今度は家に帰…

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(6/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10 ◆場面3 つぎの場面に進みましょう。 いつしか、私をいじめていた人たちが幻聴としてあらわれ、一日中私についてくるようになりました。私がどこに行こうとも、私の考えていることが相手に伝わります。…

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(5/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10 ◆場面2‐Ⅲ では、ここから、3つ目の想像(Ⅲ)に移りますね。 朝礼のスピーチがAさんには退屈でならなかったと先ほど同様仮定して話を進めますよ。Aさんは「スピーチ、早く終わればいいのになあ」と…

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(4/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10 ◆場面2‐Ⅱ つぎは、ふたつ目の想像(Ⅱ)を見てみましょう。 たとえば、朝礼で誰かが退屈なスピーチをしていて、最後にその話をこんなふうに閉めたと仮定してみてくれませんか。「早くスピーチを終えて…

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(3/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10 ◆場面2‐Ⅰ すると そんなある日、朝礼で、突然、私の考えていることが相手に伝わり、言い当てられるという出来事が起こりました。とにかく驚きでいっぱいでした。 その後、私の考えていることがみんな…

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(2/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10 ◆場面1 Aさんは大手スーパーに入社したときのことから語りはじめていましたね。 入社した当初は、研修などで同期の仲間どうしで話すことが多く、先輩と仲良くなる前に男の子と話す機会のほうが多くあ…

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(1/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10 目次・当事者Aさんが語る5つの場面・場面1・場面2‐Ⅰ・場面2‐Ⅱ・場面2‐Ⅲ・場面3・場面4・場面5・すべての場面で起こっていたことは何か・(精神)医学は統合失調症である ◆当事者Aさんが語る…

統合失調症の「頭の中に機械が埋め込まれている」を理解する(統合失調症理解#2)(5/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.9 ◆結論 さあ、男子大学生さんが「隣から悪口が聞こえてくる」「頭の中に機械が埋め込まれている」と訴え、隣家に怒鳴り込んだり、頭の中の機械をとり除いてもらうべく脳外科を受診したりするというのが…

統合失調症の「頭の中に機械が埋め込まれている」を理解する(統合失調症理解#2)(4/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.9 ◆「頭の中に機械が埋め込まれている」 さて、男子大学生さんは初診時に、「隣から悪口が聞こえてくる」とこのように訴える他、「頭の中に機械が埋め込まれている」とも主張していたとのことでしたよね…

統合失調症の「頭の中に機械が埋め込まれている」を理解する(統合失調症理解#2)(3/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.9 つまり、こういうことですよ。 たとえば、大学から帰宅したあと部屋でひとりになった男子大学生さんが、自分はひとに内心「勉強できなさそうだなあ」とか「家にばかりいて何してるの?」といったように…

統合失調症の「頭の中に機械が埋め込まれている」を理解する(統合失調症理解#2)(2/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.9 ◆「隣から悪口が聞こえてくる」 「隣から悪口が聞こえてくる」という前者の訴えについては以前どこかで考察したような気が、みなさん、しませんか。何か思い出しません? 統合失調症と診断されたつぎの…

統合失調症の「頭の中に機械が埋め込まれている」を理解する(統合失調症理解#2)(1/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.9 目次・初診時21歳男性の訴え・「隣から悪口が聞こえてくる」・「頭の中に機械が埋め込まれている」・結論 ◆初診時21歳男性の訴え この世に異常なひとはただのひとりも存在し得ないということを以前、論…

統合失調症の「悪口が聞こえてくる(幻聴)」を理解する(統合失調症理解#1)(5/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.8 さて、ここまで、(精神)医学に実際に統合失調症と診断され、「理解不可能」と決めつけられてきたひとりの男性患者さんを見てきました。 みなさん、どうでした? その男性患者さんはほんとうに、(精…

統合失調症の「悪口が聞こえてくる(幻聴)」を理解する(統合失調症理解#1)(4/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.8 では、いまからこの①から③までをすこし吟味してみますよ。 まず①(現実)を見てくれますか。この男性患者さんのように、誰かに責められたあと、他のひとたちにも内心悪く思われているのではないかとし…

統合失調症の「悪口が聞こえてくる(幻聴)」を理解する(統合失調症理解#1)(3/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.8 くどいかもしませんが、いま見たところをもうちょっと詳しく確認しておきますね。 男性患者さんには自信があったのではないかということでしたよね。ひとに内心悪く思われているのではないかと自分が気…

統合失調症の「悪口が聞こえてくる(幻聴)」を理解する(統合失調症理解#1)(2/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.8 早速はじめますよ。 たびたび文章を引用させてもらっている、岡田尊司精神科医の著書『統合失調症』(PHP新書、2010年)から、統合失調症と診断されたつぎの男性患者さんに登場してもらいますね。この…

統合失調症の「悪口が聞こえてくる(幻聴)」を理解する(統合失調症理解#1)(1/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.8 この世に異常なひとなど、ただのひとりも存在し得ないということを、以前、論理的に証明しましたよね。 (参考:ちなみにこの記事で、ですよ。) そしてそれは、この世に「理解不可能」なひとなど、た…

医学には、ひとを理解しようとする気がサラサラないことを確認する〈3/3〉

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第5回 ◆医学はひとの身になろうとしない 医学はさっきの男性患者さんのようなひとたちについてこう説明しますよね。いかにも、理解され得ない人間ってことにしたがっているなあと、今一度しみじみ実感しな…

医学には、ひとを理解しようとする気がサラサラないことを確認する〈2/3〉

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第5回 いま、統合失調症と診断された男性患者さんについて見ましたね。でも精神医学は、驚くべきことに、統合失調症者は永遠の謎だって言います。理解され得ない人間なんだ、って。 かつてクルト・コレは…

医学には、ひとを理解しようとする気がサラサラないことを確認する〈1/3〉

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第5回 目次・大木に言えたことは当然「ひと」にも言える・統合失調症は了解不能ではない・医学はひとの身になろうとしない ◆大木に言えたことは当然「ひと」にも言える 状況・最小単位説と俺がなづけた、…

「統合失調症」は永久に解くことのできぬ謎か?

*障害という言葉のどこに差別があるか考える第23回 ひとを正常と異常に振り分けることが、人間理解をはなっから拒むことである旨、確認しています。 簡単に言うと、こういうことでした。 ひとを正常と異常に振り分けるとは、ひとを「理解され得るもの」と「…

異常なひとを無くすことを医学の目的にするのは危険

*障害という言葉のどこに差別があるか考える第21回 科学は健康を正常であること、病気を異常であることと定義し、医学を「異常なひとを無くす営み」と考えます。このように「異常なひとを無くす」ことを医学の目的にするのがいかに危険なことか、確認中です…

「幻聴」を無くす治療は求められるか

*障害という言葉のどこに差別があるか考える第18回 健康を正常であること、病気を異常であることと定義する科学にとって医学とは「異常なひとを無くす営み」です。 しかし、そもそも異常なひとはこの世に存在しないと先に確認しました。医療に求められるの…

「統合失調症」を理解する7

*身体をキカイ扱いする者の正体は第21回 先ほど統合失調症の例を用いて確認しました。精神医学は患者を精神に異常のあるものとして理解しようとしますが、それではそのひとを理解することはできないということでした。論理的に考える限り、ひとはひとりの例…

「統合失調症」を理解する6

*身体をキカイ扱いする者の正体は第20回 ここまで、統合失調症と診断されたひとたちの例を用いて考察してきました。そして確認しました。精神に異常があるものと精神医学に判定されるひとたちを理解するのに必要なのは、そのひとたちのことを、「そのひとた…

「統合失調症」を理解する5

*身体をキカイ扱いする者の正体は第19回 精神医学は患者を精神に異常があるものとして理解しようとします。しかしそれでは患者のことを理解できないどころか、むしろはなっから理解するのを拒絶することになると申しました。 では、精神医学が精神に異常が…

「統合失調症」を理解する4

*身体をキカイ扱いする者の正体は第18回 精神医学は患者を精神に異常があるものとして理解しようとします。しかしそれでは患者のことを理解できないどころか、むしろはなっから理解するのを拒絶することになると申しました。精神医学が精神に異常があるもの…