(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

「統合失調症」は永遠に解けない謎なんかではない

統合失調症者は了解不能である。永遠に謎である。医学は頑強にそう言い張ってきました。しかしほんとうに統合失調症者は理解できないのでしょうか。人間に、理解され得ないものなど果してほんとうにいるのでしょうか。「統合失調症」と診断されたひとたちが、実は簡単に理解され得ることを、「症例」をもちいて確認します。また、簡単に理解できるはずであるにもかかわらずなぜ医学にはそのひとたちのことが理解できないのか、その理由を探ります。

みなさんが診察室や病室でする「訴え」と「要望」は(精神)医学には届かない(1/7)【統合失調症理解#19】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.41 目次・女性の「訴え」と「要望」はそれぞれ何か・この女性の「訴え」は何か・この女性の「要望」は何か・健康、病気という言葉の意味からも考える・みなさんの「訴え」と「要望」は医学に伝わっている…

統合失調症の「デブ、ブス、奴はダメだ、と言う声が聞こえてくる」を理解する(1/6)【統合失調症理解#18】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.40 目次・3つの事例をとり挙げる・肉まん放置事件・「おしゃれっぽい、かわいい、きれい」と聞こえてくる・授業中、先生がわたしのことを話している・すべての事例で共通して起こっていたこと・肉まん放置…

漫画に出てくる幻聴「神様の声に、触れ、食べるな、と命令される」を理解する(1/6)【統合失調症理解#17】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.39 目次・今回は、漫画家さんのインタビュー記事を読ませもらう・はじめて神様の声が聞こえたとき・「急に自分の考えではない思考が脳にボン!って入ってくる感じ」・ゲン担ぎの発想をした ◆今回は、漫画…

統合失調症の「入院中、夜間に突然怒りだして、いびきがうるさいと隣の患者の鼻をつまみ、うるせーんだよと大声を出すこともあった」を理解する(1/9)【統合失調症理解#16-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.38 目次・前回までを簡単にふり返る・絶望したり、死にたくなったりしたのはおかしなことか・大声で怒鳴ったのはおかしなことか・Nさんが争点にしていたのは何か・かたや医学が争点にするのは何か・Nさ…

統合失調症の「幻聴も活発で、からかうような声や嫌がらせの声が絶えず聞こえていた」「女性の顔の幻視を見ることもあった」を理解する(1/6)【統合失調症理解#16-vol.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.37 目次・まえおき・からかうような声や嫌がらせの声が絶えず聞こえてくる・女性の顔の幻視を見る・part.5の締めの言葉 ◆まえおき ここのところずっと、「思春期に発症し典型的な経過がみられた統合失調症…

統合失調症の「予備校に入学早々、他の学生に嫌がらせをされたとのことで、通学しなくなる」を理解する(1/9)【統合失調症理解#16-vol.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.36 目次・嫌がらせをされたと言って、予備校に行かなくなる・嫌がらせと決めつける(案1)・引け目を感じる(案2)・他の生徒の内心を気にする(案3)・part.4の締めの言葉 ◆嫌がらせをされたと言って、予…

統合失調症の「いじめなど無いのに、いじめが深刻で、勉強に集中できない」「同級生や通行人に悪口を言われるのが聞こえる(幻聴)」「女の子のことで頭がいっぱいになる」を理解する(1/8)【統合失調症理解#16-vol.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.35 目次・引用第2部で確認する3つの事項・いじめが深刻になってきて勉強どころではない・わかってはいるが、できない・ひととすれ違う際、悪口が聞こえてくる・慶応の最難関学部に合格することが決まって…

統合失調症の「誰かに嫌がらせを受けていた事実は認められないが、本人曰く、いじめに繰り返しあっていた」「自室にいるとき、女性の顔のようなものが見える(幻視)」を理解する(1/8)【統合失調症理解#16-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.34 目次・中3の2学期頃から勉強を重荷に感じるようになってきた・自分のことがうまく理解できなくなってきた・自分のことがうまく理解できないもう一つの例・part.2の締めの言葉 前回、「思春期に発症し典…

統合失調症の「思春期に発症し、典型的な経過がみられたケース」を理解する(1/2)【統合失調症理解#16-vol.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.33 この世に異常なひとなどただの一人も存在し得ないということを以前、論理的に証明しましたよね。 ----- そのときの記事をいちおう挙げておきますね。 (注)もっと簡単にそのことを証明する回はこちら。 …

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(1/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 目次・"統合失調症"の症例がふたつに分かれる・「現実修正解釈」型・「勝手にひとつに決めつける」型 ◆"統合失調症"の症例がふたつに分かれる 昨年2020年の2月頃からずっと、統合失調症と診断されたひ…

「神のお告げが聞こえた」に肉薄しよう(「統合失調症の◯◯を理解する」シリーズのspin-off)

今年2020年の2月初頭からずっと、「統合失調症の◯◯を理解する」というタイトルで、記事を書いてきました*1。統合失調症と診断されたひとたちに、実際に記事のなかに登場してもらい、そのひとたちの統合失調症の症状とされる体験が、医学の見立てに反し、「理…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(1/8)【統合失調症理解#15】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.30 目次・いつもの前置き・話が途切れ途切れになる・「理解可能」なひとを「理解不可能」であることにする・障害という言葉を使って「理解不可能」と表現する・表現内容まで「理解不可能」であることにす…

統合失調症の「朝空が白んできた頃、誰かが郵便ポストに僕の扱いに関する指令を入れていった」「某タレントがすずめの声でテレパシー交信をとり始めた」を理解する(1/6)【統合失調症理解#14-vol.9】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.29 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で9回目、最後になります。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる…

統合失調症の「友人、某タレント、某大物世界的ミュージシャンと、次々にテレパシーで交信した」を理解する(1/7)【統合失調症理解#14- vol.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で8回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「テレビで自民党大物政治家が僕のことで喜ぶ」「アナウンサーがニュースで僕のことを仄めかす」「夜中の誰かが階段を駆け降りていった音は、睡眠中に僕の脳波をはかっていた者の慌てて逃げていく足音だった」を理解する(1/6)【統合失調症理解#14-vol.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.27 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で7回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(1/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で6回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「何者かが僕に、世界は僕のためにあるというシグナルを送り続けている」を理解する(1/6)【統合失調症理解#14-vol.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.25 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で5回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「自民党有名某政治家の分身が笑うのが聞こえた」を理解する(1/5)【統合失調症理解#14-vol.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.24 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で4回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「駅舎に書かれていた駅名から、或る暗号を受けとった」を理解する(1/3)【統合失調症理解#14-vol.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.23 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で3回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「新聞記事を読み、国が僕を守ろうとしてくれていると確信した」を理解する(1/4)【統合失調症理解#14-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.22 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本を、前回から、とり挙げさせてもらっています。 これから、小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…

統合失調症の「発症前のある時期から、テレビ、ラジオ、本の情報に過敏に反応して、いろんなメッセージを受けとるようになった」を理解する(1/5)【統合失調症理解#14-vol.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.21 目次・発症数ヶ月前から始まった「メッセージを受けとる」・野坂昭如、とんねるず石橋貴明を殴る(出来事1)・野坂、衆院選で新潟3区から出馬する(出来事2)・現実を自分に都合良く解釈する ◆発症…

統合失調症の「殺し屋に狙われているという幻覚(幽霊論)」を理解する(1/6)【統合失調症理解#12-part.2,13】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.20 目次・殺し屋に狙われているという幻覚・錯覚する・錯覚しているはずはないという自信・まとめ・牛の怪物に襲われる幻覚・締めの言葉 ◆殺し屋に狙われているという幻覚 以前論理的に証明しましたように…

統合失調症の「カガヤ臭いという声が聞こえてくる(幻聴)」を理解する(1/7)【統合失調症理解#12-part.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.19 目次・「幻聴」と「幻覚」を2回に分けて考察する・「カガヤ臭い」という声が聞こえてくる(幻聴)・「現実」を「予想」のほうに合わせる ◆「幻聴」と「幻覚」を2回に分けて考察する この世に異常なひ…

統合失調症の「スーパースターに愛されている」を理解する(1/7)【統合失調症理解#10,11】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.18 目次・(精神)医学が世間の偏見を正せるはずはない・「世界的なスーパースターに愛されている」・感じているところが錯覚である可能性・「ミュージシャンが愛のメッセージを送ってくる」 ◆(精神)医…

統合失調症の「赤の他人の怒ったような顔写真を見て、自分の父親は怒っているととる」を理解する(1/4)【統合失調症理解#9】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.17 この世に異常なひとなど、ただのひとりも存在し得ないということを以前、論理的に証明しましたよね。 ----- そのときの記事を一応挙げておきますよ。 (注)もっと簡単に確認する回はこちら。 ----- そし…

統合失調症の「他人が身体のなかに入ってくる」を理解する(1/5)【統合失調症理解#8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.16 目次・20代女性の訴え・推測その1(悪く思われているのではないかと気になる)・推測その2(ああだこうだと考えてしまう)・推測その3(おぞましい想像をしてしまう)・(精神)医学は差別する ◆20…

統合失調症の「下校途中の高校生に、働かないで何してんだ、あいつは変態だとバカにされる」「テレビCMに犬の食品を勧められる」「車からエンジン音に合わせ、殺してやる、うちの製品をバカにしやがって、という声が聞こえ、追いかけられる」を理解する(1/6)【統合失調症理解#7-part.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.15 目次・場面4:高校生幻聴・場面5:テレビ・ラジオ幻聴・場面6:仲間幻聴・場面7:車幻聴・医学がCさんを「理解不可能」と決めつけるやり方・医学もCさんのように「現実修正解釈」をやってきた ◆…

統合失調症の「朝鏡を見ると、顔や身体の他の部分に女性の名や悪口などが描かれている」を理解する(1/2)【統合失調症理解#7-part.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.14 目次・場面2:朝起きたら身体中が痛い・場面3:朝起きたら身体中に落書きされている ◆場面2:朝起きたら身体中が痛い 「理解不可能」なひとなど、この世にただのひとりも存在し得ないということを以…

統合失調症の「自分しか知らないはずのことをみんなが何故か知っている」「幻聴が同級生の声で早く死んじゃえばいいのにと言ってくる」「夜になると近所から悪口が聞こえる」を理解する(1/4)【統合失調症理解#7-part.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.13 目次・場面1:中学生時代(幻聴)・自分しか知らないことをみんなが知っている・同級生、家族、近所からの悪口 ◆場面1:中学生時代(幻聴) この世に異常なひとなどただのひとりも存在し得ないという…

統合失調症の「声が命令してくる(幻聴)」を理解する(1/3)【統合失調症理解#5,6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.12 この世に異常なひとなど、ただのひとりも存在し得ないということを以前、論理的に証明しましたよね。 ----- そのときの記事をいちおう挙げておきますね。 (注)もっと簡単に確認する回はこちら。 ----- …