(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(8/8)【統合失調症理解#15】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.30 ◆締めの言葉 さあ、最後に全体を振り返りましょう。 (精神)医学はあるひとたちのことを統合失調症と診断し、やれ「人間の知恵をもってしては永久に解くことのできぬ謎」だ、「了解不能」だと、好き勝手…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(7/8)【統合失調症理解#15】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.30 ◆言葉遣いまで「理解不可能」であることにする だけど、(精神)医学は貪欲です。思考や表現内容に止まらず、隙あらば、患者の言葉遣いまで「理解不可能」であることにしようとします。先の引用のつづき…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(6/8)【統合失調症理解#15】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.30 ◆表現内容まで「理解不可能」であることにする ここから、もう少しだけ先に進みましょう。が、そのまえに、冒頭からこれまでを簡単に一段落でふり返ってみます。こういうことでした。 はじめに、音大生さ…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(5/8)【統合失調症理解#15】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.30 ◆障害という言葉を使って「理解不可能」と表現する さて、そんな(精神)医学は先の引用文のなかで、音大生さんのことを「理解不可能」と表現するのに、「思考障害」という言葉を使っていました。 どうい…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(4/8)【統合失調症理解#15】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.30 ◆「理解可能」なひとを「理解不可能」であることにする ところが、(精神)医学には、おのれの人間理解力が未熟であるという自覚はこれっぽっちもありません。むしろ反対に、(精神)医学の人間理解力は…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(3/8)【統合失調症理解#15】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.30 いまこう推測しました。 音大生さんは、「まわり」のひとたちにどう思われているか、気になって仕方がなかった(現実)。しかしその音大生さんには、自分が「まわり」のひとたちにどう思われているかを気…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(2/8)【統合失調症理解#15】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.30 ◆話が途切れ途切れになる 音楽大学の学生さん(以下、音大生さんと呼ばせてもらいます)の例からはじめますよ。その音大生さんは、精神科医への問いかけに途切れ途切れの応答を見せたと言います。 考えを…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(1/8)【統合失調症理解#15】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.30 目次・いつもの前置き・話が途切れ途切れになる・「理解可能」なひとを「理解不可能」であることにする・障害という言葉を使って「理解不可能」と表現する・表現内容まで「理解不可能」であることにする…

統合失調症の「朝空が白んできた頃、誰かが郵便ポストに僕の扱いに関する指令を入れていった」「某タレントがすずめの声でテレパシー交信をとり始めた」を理解する(6/6)【統合失調症理解#14-vol.9】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.29 ◆(精神)医学も「現実を自分に都合良く解釈する」 でも(精神)医学は、そうした現実と背反する自信をずっともってきました。(精神)医学の人間理解力は完全無欠であるはずだという自信を、ね? で、そ…

統合失調症の「朝空が白んできた頃、誰かが郵便ポストに僕の扱いに関する指令を入れていった」「某タレントがすずめの声でテレパシー交信をとり始めた」を理解する(5/6)【統合失調症理解#14-vol.9】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.29 ◆全9回をとおして確認できたこと さて、ここまで、小林さん本人が、統合失調症を「突然発症した」とされる日とその翌日の模様を、赤裸裸かつ克明に語ってくれているのを、謹聴してきました。大変勉強に…

統合失調症の「朝空が白んできた頃、誰かが郵便ポストに僕の扱いに関する指令を入れていった」「某タレントがすずめの声でテレパシー交信をとり始めた」を理解する(4/6)【統合失調症理解#14-vol.9】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.29 ◆とんねるず木梨がすずめの声で交信しはじめる では、先に進みましょう。小林さんはこのあと、すずめの鳴き声を聞いたと言っていました。その鳴き声を聞いているうち、「だんだんそれが日本語に聞こえ始…

統合失調症の「朝空が白んできた頃、誰かが郵便ポストに僕の扱いに関する指令を入れていった」「某タレントがすずめの声でテレパシー交信をとり始めた」を理解する(3/6)【統合失調症理解#14-vol.9】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.29 ◆あるいは勝手にひとつに決めつける でも、ここは、こう解したほうがわかりやすいかもしれませんね。 日中、政府に回されていると思い込んでいた小林さんが帰宅後もずっと、ビクビクしているらしいのを、…

統合失調症の「朝空が白んできた頃、誰かが郵便ポストに僕の扱いに関する指令を入れていった」「某タレントがすずめの声でテレパシー交信をとり始めた」を理解する(2/6)【統合失調症理解#14-vol.9】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.29 いまこう推測しました。振り返ってみますね。 朝の4時ころ、新聞配達の物音がした(現実)。しかし小林さんには、ふつうこんな時刻にひとが配達に来ているはずはないという「自信」があった。このように…

統合失調症の「朝空が白んできた頃、誰かが郵便ポストに僕の扱いに関する指令を入れていった」「某タレントがすずめの声でテレパシー交信をとり始めた」を理解する(1/6)【統合失調症理解#14-vol.9】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.29 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で9回目、最後になります。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…