(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

なぜ違いをひとつにしぼらない?(中)

*コーヒー疫学、違いをひとつにしぼらない第4回 しかし、一日に飲むコーヒーn杯を「どんな場合でも、身体のなかに同じ出来事を引き起こすもの」と見、一日にコーヒーを3杯飲めば、肉を十分に食べているひとにも、肉を十分に食べていないひとにも、同じ出来…

なぜ違いをひとつにしぼらない?(上)

*コーヒー疫学、違いをひとつにしぼらない第3回 ところが、国立がん研究センターを中心になされたこの調査*1では、グループ間の違いをたったひとつにしぼりこむようなことはしていない。 なぜか。 それは、グループ間の違いを、たったひとつにしぼる必要を…

科学は雨女、雨男、魔女特定法で疫学する

*コーヒー疫学、違いをひとつにしぼらない第2回 先にも触れたとおり、この調査*1で追跡されたみなさんの間には、「一日に飲むコーヒーの杯数の違い」以外にも違いがたくさんおありだった。身長も、体重も、味の好き嫌いも、一日に食べる野菜や肉の量も、一…

違いをひとつにしぼれ

*コーヒー疫学、違いをひとつにしぼらない第1回 首がとれそうになるくらい、首をひねっている。 国立がん研究センターが中心となってコーヒーに関し、コホート調査をやったそうである。その調査を報じている記事をぐうぜん読んで俺はいま、しきりと目をパ…

まとめ

*『患者よ、がんと闘うな』の近藤誠さん第8回 以上、科学のガン論とガン治療法にたいし、近藤さんがお示しになっている疑念について、オロカモノなりに考察してきた。その考察をとおしてオロカモノの俺が学んだのは、生物を扱うようになると科学は一転、「…

ガン治療は癒しを目的としていない

*『患者よ、がんと闘うな』の近藤誠さん第7回 それに比べると、科学のガン治療はどうだろう。科学は、ガンという一箇所をとり除くことにしか配慮しない。この一箇所をなくせるかどうかのみが、ガン治療の成功と失敗の分かれ目である。患者さんのガンという…

癒しを目的とする治療とは

*『患者よ、がんと闘うな』の近藤誠さん第6回 ここでもふたたび、出来事を一箇所のせいにする見方からふりかえろう。これまで繰り返し申し上げてきたように、物理学では、出来事を一箇所のせいにはしない。ビリヤード台のうえでどんな出来事が起こるかを的…

一箇所にしか配慮しないで為すガン治療

*『患者よ、がんと闘うな』の近藤誠さん第5回 ガンという一箇所にしか配慮せずとも、「苦と死という出来事」が必ず起こってくると予想できるのかどうかは、事実観察によって見極めるしかないと、猛毒について触れたところで書いた。そこで、じっさいに事実…

ガンを死因と特定したときの手続き

*『患者よ、がんと闘うな』の近藤誠さん第4回 まさかそんなはずはない、正規の手続きで科学はガンを「どんな場合でも、苦と死という出来事を引き起こす一箇所」だと特定したのだ、とおっしゃるかたもおいでかもしれない。おそらくその手続きとはこのような…

一箇所にしか配慮しないでひとの未来を予想できるか?

*『患者よ、がんと闘うな』の近藤誠さん第3回 「いや、出来事を一箇所のせいにすること、すなわち、一箇所にしか配慮せずともどんな出来事が起こってくるか予想すること、は可能である。たとえば服毒死という出来事については、猛毒という一箇所だけのせい…