(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

2020-09-14から1日間の記事一覧

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(5/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 ◆ここまでを簡単に振り返る 先の引用の直後をさらに見ていきますよ。とうとう小林さんは、悪意あるその「何者か」にどん詰まりまで追い詰められてしまいます。 僕は心底疲れ、往来の真ん中で大声で叫ん…

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(4/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 ◆そば屋のおかもちから割り箸をとり出した時 どんどん先に進みます。さっきの引用の直後を見ますね。小林さんはその悪意ある「何者か」にジリジリと追い詰められていきます。 ところがその路地は工事中…

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(3/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 ところで、まえのほうで俺、こう言っておきましたよね。小林さんは前日、時の内閣が自分のことを守ろうとしてくれていると本気で思い込んだ結果、時の内閣から監視されていると感じ考えることになった…

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(2/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 ◆ふたつ目の案 もしくは、こういうことだったかもしれませんね。 小林さんは、「世界は僕のためにある」ということの恐ろしい真の意味をついに理解したと思ったとき、ふとある場面を想像した。それは、…

統合失調症の「通りかかった男女が、あっちに行けば楽なのにね、とささやいた」「おかもちの中からとり出した割り箸には意味があるはずだった」を理解する(1/5)【統合失調症理解#14-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.26 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で6回目です(全9回)。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる日…