(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

(題)短編集「統合失調症と精神医学と差別」

一話読み切りの短編ばかりを集めました。この短編集をとおして、(精神)医学が「人間差別の体系」であることを確認します。またつぎのことも「症例」をもちいて確認します。(精神)医学は一部のひとたちを統合失調症と診断し、理解不可能(専門用語で言えば了解不能)と決めつけてきましたが、実はそのひとたちは理解不可能なんかでは決してなかったということも。最初に「短編NO.1」と「短編NO.2」を読んでもらうと、読み進めてもらいやすいかもと思ったり思わなかったり(いや、好きなように読んでもらうのが一番です)。

わたしたちの勘は薄々、ひとを「異常」と判定するのが差別であることに、そう、優生思想であることに、気づいていたが、わたしたちはずっと、例のごとく、見て見ぬふりし続けてきたのではないか、という濃厚な疑い(1/4)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.62 目次・みなさんの鋭い勘が覚えた違和感・みなさんが勘づいていたもうひとつのこと・みなさんが医学の根本姿勢に違和感を抱きつづけてきた確かな形跡 いま、すさまじい勢いで、続々と、化けの皮が、ありと…

医学は「みんな違ってみんなイイ」と言って「多様性」を口先では肯定しているが、やっていることは実はそれとは正反対ということはないか(1/7)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.61 目次・科学が多様性を肯定する言葉を口にしているときにみなさんが感じること・①医学を医学たらしめるものは何か・②医学に不当にも異常と決めつけられ、差別されてきたのは誰か・③医学とは「多様性の否定…

理解不可能(了解不能)な人間がこの世に存在しないことを、別のもっと簡単な仕方で確認する(1/4)【短編NO.5の補足】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.60 目次・医学は一部のひとたちに「理解不可能」の烙印を押してきた・「現実」が「イメージ」に合致するとは、しないとは ◆医学は一部のひとたちに「理解不可能」の烙印を押してきた この短編集「統合失調症…

障害、障がい、障碍、はどれもみな差別用語であるということを、別のもっと簡単な仕方で確認する(1/3)【短編NO.4の補足】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.59 目次・異常という言葉は差別用語である・異常を身体のなかの一点のせいにすると、その一点に正常になることを妨げられていることになる・「〜になるのを妨げられている」を世間では障害と表現する ◆異常…

医学の名のもと差別されるのは誰か、をもっと簡単な仕方で確認する(1/4)【短編NO.3の補足】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.58 目次・まずひとを、標準、優、劣、に分ける・正常か異常かを決める基準はどこから来るか・いっぽうの不合致はあがめ、もういっぽうの不合致は問題視する この短編集「統合失調症と精神医学と差別」のなか…

異常なひとはこの世にただのひとりも存在しないということを、もっと簡単な仕方で確認する(1/4)【短編NO.2の補足】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.57 目次・ひとを正常もしくは異常と判定するとはどうすることだったか・現実がイメージに合致していないときにみなさんが本当にすべきこと・異常なひとはこの世にただのひとりも存在し得ない ◆ひとを正常も…

正常と異常のそれぞれの意味を、もっと簡単な仕方で確認する(1/4)【短編NO.1の補足】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.56 目次・正常、異常とはそれぞれ何かをもっと簡単な仕方で確認する・イメージに合致しているか、否か・イメージに合致していないことをもって、問題有りと考える ◆正常、異常とはそれぞれ何かをもっと簡単…

科学には全然理解できない快いとか苦しいとかいうことの意味を簡単に確認してみよう(1/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.9】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.55 目次・最後に、快いとは何か、苦しいとは何か・快さ・苦しさとは「今どうしようとするか、ハッキリしている度合い」のことである・今という一瞬を、出来事の最中と見る・今という一瞬を、目的に向かって…

科学がやっているように身体を機械と見なすと、こんなふうに快さや苦しさの意味がまったくわからなくなって、もう頭が爆発しちゃいそうだ(1/4)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.54 目次・快を「好物への接近行動前のウォーミングアップ」のサインとし、不快を「敵からの逃避行動前のウォーミングアップ」のサインとする説・性被害者を「なのになぜ逃げなかった!」と叱りつける極悪非…

身体を機械と考えると、やれ健康だ、やれ病気だと言っているときに、争点にするところが、みなさんのように「苦しくないか、苦しいか」ではなく、「正常か、異常か」になってしまう科学の実例2つ(1/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.53 目次・やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことによって、みなさんが争点にするのは、「苦しくないか、苦しいか」である・快さ(苦しさ)を、「身体機械」が正常(異常)であることを知らせる、心のな…

機械なんかでは決してないことが明らかな身体を科学が機械と決めつける、嗚呼、あの不幸な瞬間(1/6)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.52 目次・科学が事のはじめに為すふたつの存在改悪作業・絵の存在否定(作業1)・存在の客観化(作業2)・科学が、機械ではない身体を機械と見なす瞬間・左手を例に考察する・身体全体を考える ◆科学が事の…

科学は、外界に実在しているのは、見ることも聞くことも嗅ぐことも味わうことも一切叶わない「のっぺらぼう」であると言うが、それは果してどんなものか(1/6) 【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.51 目次・科学は関係をも別ものにすり替える・外界に実在しているのは元素だけという科学の基本アイデア・関係は自律的なものである・原子に色はついているか 機械ではない身体を、なぜ医学が機械と見なすの…

みなさんは当たり前のように知っているが、科学は全然知らない「存在は客観的ではない」という事実(1/10)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.50 目次・科学はこの世の存在をすべて「のっぺらぼう」に変える・科学が事のはじめに為すふたつ目の作業、「存在の客観化」・物は、言ってみれば、周りの空気を読むものである・身体も一瞬一瞬答えるもので…

機械なんかであるはずがない身体を科学が機械と見なすに至るキッカケにみなさんはドギモを抜かれる(1/7)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.49 目次・科学は機械ではない身体を機械とみなす・科学が事のはじめに立てつづけに為すふたつの不適切な作業・ひとつ目の作業、「絵の存在否定」・「絵の存在否定」はすべてを心のなかの像に変える・心の外…

科学は身体を機械と見なすが、身体が機械であったことは嘗てただの一瞬もないこと(1/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.48 目次・すべてを台無しにする科学のボタンの掛け違い・身体とは何か・左手を例に・見えているものは実は、ほとんど見えていない(補足) ◆すべてを台無しにする科学のボタンの掛け違い 医学の基礎について…

なぜ医学は、患者が何を「訴え」、何を「要望している」のかイマイチよく理解できないのか。また患者がこうむっている「たいしたことのある」副作用を、なぜ「たいしたことのない」ものと勝手に侮ってしまうのか(1/3)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.47 目次・みなさんと医学のあいだに生じた齟齬・医学による争点のすり替え ◆みなさんと医学のあいだに生じた齟齬 ここ最近はずっと、みなさんと医学のあいだに生じた齟齬を見ていますよね。その齟齬の生まれ…

医学の副作用の侮り方その2、いきなり「夢の新薬」と高らかに謳いあげる(1/5)【医学は副作用を侮ってきた? part.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.46 目次・胸に兆す「そんなうまい話はあるのだろうか」という疑念・で、実際、そんなうまい話はあったのか・One man's meat is another man's poison.という絶対真理 統合失調症と診断されたひとたちに使用…

「たいしたことのある」副作用を「たいしたことがない」と侮る医学の見方 (1/4)【医学は副作用を侮ってきた? part.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.45 目次・医学による、健康、病気の独自な定義・身体に起こる出来事についての医学の独自解釈・医学の、一点をとり除けさえすれば至上主義 いま、統合失調症と診断されたひとたちに使用される薬の副作用につ…

みなさんのふだんの見方を用いて、副作用がほんとうに「たいしたことがない」のか、検証する(1/4)【医学は副作用を侮ってきた? part.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.44 目次・薬を飲むことによって、当初の「苦しさ」を別の「苦しさ(副作用)」と交換する・薬を飲むことによって、苦しさは「かえって酷くなった」のか、それとも「マシになった」のか・薬を飲むことによっ…

副作用を我慢してでも治療を受けるべきとみなさんが判断するのはどんな時か(1/5)【医学は副作用を侮ってきた? part.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.43 目次・そもそもみなさんは何を、健康、病気と見るか・A.治療を受けてかえって苦しさが酷くなる場合・B.治療を受け、苦しさがマシになる場合・みなさんは苦しさを比較したあと、生存期間の延長・短縮…

ひょっとすると(精神)医学が勝手に副作用を「たいしたことがない」と侮ってきただけかもしれないという暗い予感(1/2)【医学は副作用を侮ってきた? part.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.42 医学はいッつも、治療(治療薬や手術等)の副作用はたいしたことがないと言いますよね。 でも、みなさん、ほんとうにそうだと思います? たしかに、これといった副作用をこうむらない患者さんもたくさん…

みなさんが診察室や病室でする「訴え」と「要望」は(精神)医学には届かない(1/7)【統合失調症理解#19】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.41 目次・女性の「訴え」と「要望」はそれぞれ何か・この女性の「訴え」は何か・この女性の「要望」は何か・健康、病気という言葉の意味からも考える・みなさんの「訴え」と「要望」は医学に伝わっている…

統合失調症の「デブ、ブス、奴はダメだ、と言う声が聞こえてくる」を理解する(1/6)【統合失調症理解#18】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.40 目次・3つの事例をとり挙げる・肉まん放置事件・「おしゃれっぽい、かわいい、きれい」と聞こえてくる・授業中、先生がわたしのことを話している・すべての事例で共通して起こっていたこと・肉まん放置…

漫画に出てくる幻聴「神様の声に、触れ、食べるな、と命令される」を理解する(1/6)【統合失調症理解#17】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.39 目次・今回は、漫画家さんのインタビュー記事を読ませもらう・はじめて神様の声が聞こえたとき・「急に自分の考えではない思考が脳にボン!って入ってくる感じ」・ゲン担ぎの発想をした ◆今回は、漫画…

統合失調症の「入院中、夜間に突然怒りだして、いびきがうるさいと隣の患者の鼻をつまみ、うるせーんだよと大声を出すこともあった」を理解する(1/9)【統合失調症理解#16-vol.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.38 目次・前回までを簡単にふり返る・絶望したり、死にたくなったりしたのはおかしなことか・大声で怒鳴ったのはおかしなことか・Nさんが争点にしていたのは何か・かたや医学が争点にするのは何か・Nさ…

統合失調症の「幻聴も活発で、からかうような声や嫌がらせの声が絶えず聞こえていた」「女性の顔の幻視を見ることもあった」を理解する(1/6)【統合失調症理解#16-vol.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.37 目次・まえおき・からかうような声や嫌がらせの声が絶えず聞こえてくる・女性の顔の幻視を見る・part.5の締めの言葉 ◆まえおき ここのところずっと、「思春期に発症し典型的な経過がみられた統合失調症…

統合失調症の「予備校に入学早々、他の学生に嫌がらせをされたとのことで、通学しなくなる」を理解する(1/9)【統合失調症理解#16-vol.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.36 目次・嫌がらせをされたと言って、予備校に行かなくなる・嫌がらせと決めつける(案1)・引け目を感じる(案2)・他の生徒の内心を気にする(案3)・part.4の締めの言葉 ◆嫌がらせをされたと言って、予…

統合失調症の「いじめなど無いのに、いじめが深刻で、勉強に集中できない」「同級生や通行人に悪口を言われるのが聞こえる(幻聴)」「女の子のことで頭がいっぱいになる」を理解する(1/8)【統合失調症理解#16-vol.3】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.35 目次・引用第2部で確認する3つの事項・いじめが深刻になってきて勉強どころではない・わかってはいるが、できない・ひととすれ違う際、悪口が聞こえてくる・慶応の最難関学部に合格することが決まって…

統合失調症の「誰かに嫌がらせを受けていた事実は認められないが、本人曰く、いじめに繰り返しあっていた」「自室にいるとき、女性の顔のようなものが見える(幻視)」を理解する(1/8)【統合失調症理解#16-vol.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.34 目次・中3の2学期頃から勉強を重荷に感じるようになってきた・自分のことがうまく理解できなくなってきた・自分のことがうまく理解できないもう一つの例・part.2の締めの言葉 前回、「思春期に発症し典…

統合失調症の「思春期に発症し、典型的な経過がみられたケース」を理解する(1/2)【統合失調症理解#16-vol.1】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.33 この世に異常なひとなどただの一人も存在し得ないということを以前、論理的に証明しましたよね。 ----- そのときの記事をいちおう挙げておきますね。 (注)もっと簡単にそのことを証明する回はこちら。 …