(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

科学は身体を機械と見なすが、身体が機械であったことは嘗てただの一瞬もないこと(1/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.48

目次
・すべてを台無しにする科学のボタンの掛け違い
・身体とは何か
・左手を例に
・見えているものは実は、ほとんど見えていない(補足)


◆すべてを台無しにする科学のボタンの掛け違い

 医学の基礎について考察しています。


 前回、医学の壮大なボタンのかけ違えを確認しましたね。こういうことでした。

  1. 身体はほんとうは機械ではない。
  2. 医学は、ほんとうは機械ではない身体を、機械と見なす。
  3. その結果、やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことによって争点にするところを、みなさんのように「苦しくないか、苦しいか」には置けなくなり、その代わりに「正常か、異常か」と考えることになった。


 ほんとうは機械ではない身体を機械と見なすこうしたボタンの掛け違いをした結果、医学は、治るとは何か(健康とは何か、病気とは何か)、副作用にどう向き合うべきか、といったことをことごとく誤解するに至ったということでした。


 治る(健康、病気)とは何かということをとり違えることは、控えめに言っても致命的ですし、副作用にどう向き合うべきかをとり違えるということもまた、おなじですね。

 

-----

治る(健康、病気)をとり違えた結果どうなっているか以下で考察しました。

副作用にどう向き合うべきかとり違えた結果どうなっているか以下で考察しました。

-----

 

 さて、今回からは、先述した1から3に至る経緯を1からひとつずつ詳しく見ていきます今回は身体は機械ではないというみなさんにとっては極々当たり前の、しかし科学にとっては全然当たり前ではないことを確認します。そして次回は、機械ではないそんな身体を医学がなぜ機械と見なすのか確認し、そのつぎの回では、身体を機械と見なすことによって、先に書きましたように、科学が、いかにして争点を、「苦しくないか、苦しいか」から「正常か、異常か」にすり替えることになったかを確認します。


 今回は、いまから、身体がほんとうは機械ではないという当たり前のことを確認します。






         (1/5) (→2/5へ進む






2023年2月1日に文章を一部修正しました。


*前回の短編(短編NO.47)はこちら。


*このシリーズ(全48短編を予定)の記事一覧はこちら。