(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

科学は身体を機械と見なすが、身体が機械であったことは嘗てただの一瞬もないこと(2/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.2】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.48


◆身体とは何か

 はたして身体とは一体、何でしょうね?


 いま、俺の頭のてっぺんから、下半身の末端まで、感覚がひと連なりになっています。


 みなさんもそうですね?


 で、その「感覚」がひと連なりになって占めているのとほとんどおなじ場所を、皮膚、脂肪、骨、靱帯、血管、血液、神経、爪、臓器、水分、といった(以後、ブツと呼ぶことにします)もまた同時に占めていますね?


 つまり、「感覚」と「物」というふたつの別ものが、ほぼおなじ場所を同時に占めていますよね?


 そのように、ほぼおなじ場所を占めている感覚とをひとつに合わせてみなさんはふだん身体と呼んでいるのではありませんか。


 ふだんみなさんは、前者の「感覚」のことを、身体の感覚(カラダ・ノ・カンカク)とか身体感覚(シンタイ・カンカク)と呼びますね? それは、「感覚」を、いま言いましたとおり、身体の一部と見ているということではありませんか?


 ちなみに、ふだんのみなさんのその「身体の感覚」という呼び方にならって、後者の「物」については今後、身体の物(カラダ・ノ・ブツ)と呼ぶことにしますよ(それとも、身体感覚という言い方のほうにならって、身体物  シンタイ・ブツ  と呼んだほうがいいでしょうか)。


 さあ、いま、身体とは、ほぼおなじ場所を占めている「身体の感覚」と「身体の物」とを合わせたもののことであると確認しました。


 ふだんみなさんは身体のうちにこうして感覚を含めます


 ほら、身体は機械ではありませんね?


 機械にはない「感覚」といったものが身体にはありますね?






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*前回の短編(短編NO.47)はこちら。


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