(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

健康、病気、治療の定義を問い直す

医学は健康とは正常であること、病気とは異常であること、治療とは正常になるためにするものと定義づけますが、それは適切な定義でしょうか。考察します。

ひとのことを、やれ正常だ、やれ異常だ、とさんざ言ってきたけど、はて、そもそも、正常、異常ってどういう意味なんだっけ?

医学なるものに触れ、一番最初にひとが疑問に思うのは、「正常、異常という言葉の意味は果して何なのだろう」ということではないでしょうか。 だって、医学は、健康を正常であること、病気を異常であることと独自に定義づけてやってきたじゃないですか。 ---…

自分の胸に「ふだん、何を健康と言い、何を病気と言っているのか」訊いてみる?

新年早々、ひとつ、基礎的なことを、下の記事で考えてみました。 その基礎的なことというのは、何を健康と言い、何を病気と言うのか。 ひと言で言うと、健康、病気という言葉の定義ですね。 医学というのは「病気を治す」ことを使命とするものですよね? で…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(1/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 目次・"統合失調症"の症例がふたつに分かれる・「現実修正解釈」型・「勝手にひとつに決めつける」型 ◆"統合失調症"の症例がふたつに分かれる 昨年2020年の2月頃からずっと、統合失調症と診断されたひ…

そもそも正常とは何か、異常とは何か(1/2)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.1 医学は、健康を正常であること、病気を異常であることと定義づけてやってきましたよね。で、異常と診断したひとたちに治療をしてきましたね。 正常と病理 (叢書・ウニベルシタス) 作者: ジョルジュカン…

医学の言うことがみんな嘘になる理由、「健康・病気・治る」編(1/2)

*医学の言うことはみんな嘘第1回 医学の言うことはみんな嘘なんじゃないですか、ね? もちろん、その嘘がすべて致命的なものだと言うつもりはありませんよ。なかには支障のない嘘だってたくさんあるにちがいありませんね? ひょっとすると、有益な嘘もある…

治療がときにひどくつらいことが示す意味

*科学するほど人間理解から遠ざかる第2回 西洋学問ではこれまで、快さ苦しさは何であるか理解されてこなかったと最初に申し上げ、そのことは、健康や病気についてすこし考えてみるだけでもすぐ明らかになると申し添えました。 本題に入るまえにもうしばら…

快さや苦しさはこれまで一度も何であるか理解されてこなかった

*科学するほど人間理解から遠ざかる第1回 快さとか苦しさというのが何であるかこの文章では確認します。以後、快さと苦しさをひとつに合わせて、快さ苦しさと表記したりすることをお許しください。 いまから例によって例のごとく、本題に入るまえに何やら…

科学は何故ひとに対してつけられない正常異常という区別を採用するのか

*障害という言葉のどこに差別があるか考える第19回 科学は健康を正常であること、病気を異常であることと定義づけ、医学を「異常なひとを無くす営み」と考えます。 しかし第1部で確認しました。正常異常の区別は機械に対してつけられず、当然ひとに対して…

「幻聴」を無くす治療は求められるか

*障害という言葉のどこに差別があるか考える第18回 健康を正常であること、病気を異常であることと定義する科学にとって医学とは「異常なひとを無くす営み」です。 しかし、そもそも異常なひとはこの世に存在しないと先に確認しました。医療に求められるの…

ひとは「治療」を求めるか

*障害という言葉のどこに差別があるか考える第17回 僭越ながら先刻こういった旨のことを申し上げました。 科学は、健康とか健常を正常であること、病気を異常であることと定義する。そんな科学にとって医学とは「異常なひとを無くす営み」である。 しかし第…

医学にたいするふたつの素朴な疑問

*障害という言葉のどこに差別があるか考える第16回 第3部にちょうどいま足を踏み入れました。最初にここまで二点、確認してきましたところを簡単にふり返らせていだだきます。 ひとを正常(健康なもの・健常者)と異常(障害者)に分けることは不当な差別…

ひとを正常なものと異常があるものとに分けることは不当な差別に他ならない

*障害という言葉のどこに差別があるか考える第3回 みなさんが障害という言葉にお覚えになる違和感の正体は、ひとを正常なもの(健常者・健康なひと)と異常があるもの(障害者)とに分けることが不当な差別に当たるという事情にあるのではないかと申しまし…

「統合失調症」を理解する7

*身体をキカイ扱いする者の正体は第21回 先ほど統合失調症の例を用いて確認しました。精神医学は患者を精神に異常のあるものとして理解しようとしますが、それではそのひとを理解することはできないということでした。論理的に考える限り、ひとはひとりの例…

手足が震えるのは運動障害か

*身体をキカイ扱いする者の正体は第10回 科学は、機械にしか用いることのできない正常異常という振り分けかたを、機械ではない身体に用います。それは、「設計製造者(世界)によって定められたありようを身体が呈していないこと」を問題にすることでした。…

医療が真に問題とすべきは何なのか

*身体をキカイ扱いする者の正体は第9回 科学は、機械に用いられる正常異常という区分けを、機械ではない身体に用い、その正常を健康とか健常と呼ぶいっぽうで、異常を病気と呼び、治療とは異常状態から正常状態になることを目的とするものとします。これは…

それは「治った」と言えるのかな

「治る」という言葉を聞いてヘンな気持ちになるときがあると言いますか。違います違います、セクシュアルな意味じゃありません。みなさんセクシュアルな話、お嫌いでしょう? 安心してください、そんな話しませんよ、なんて。 「治る」という言葉を聞いて、…

病は気から? 病気とは気を病むこと?

やあ、ホースム、まいったよ、外はひどい寒さだ。どうした、何か考えごとか? 「ワトソソ、これを読んで見たまえ」 ああ、「病は気から」か。よくある記事だ。昔から、思い出したようにときどき、誰かがこんなことを書くんだ。で、これがどうしたんだ? 「思…