(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

医学はこの世の根本原理にもとづかないで、人種差別論理に頼る《2/2》

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第12回

1/2からのつづき

医学は医学の出来事観を突きつめて物質をつぎのように定義する医学の物質観)。

  • 表現①:物質は身体に特定の出来事を起こす原因である(原因という言葉をもちいての表現)。
  • 表現②:物質は「状況に関係なく身体に特定の出来事を起こすもの」である(原因という言葉をもちいないでの表現)。
  • 表現③:おなじ物質をおなじように摂取・接種すれば、当然、身体におなじ特定の出来事が起こる


 でも、物質は実際、そういうものではないとのことでしたよね。おなじ物質をおなじように摂取・接種しても、ひとによって、もしくはおなじひとでも時と場合によって、身体に起こる出来事はしばしば異なるってことだったじゃないですか、ね?


医学の出来事観と物質観にもとづいて現実を見ると医学に都合が良いように現実を見過ぎることになる数々の可能性を落とすことになる)。


 そのことを、HPVワクチンを例に考察したじゃないですか。無責任にもいきなり夢のワクチン爆誕とかと言い出してしまう......って……あれ?


 いま、みなさんと俺、どこにいます? いったいココどこですかね? 大木目指して歩いてきたじゃないですか、その下でゴロゴロしながらお喋りしましょうって言って?


 ひょっとして、大木、遙か昔にとおり越しちゃってます?


 あっ、ほんとだ、大木、背後のあんなところにあるわ......


 遠くまできちゃったなあ……


 ついおしゃべりが白熱しすぎちゃいましたよ……えっ、もうお家に帰る? 嗚呼もうこんな時間ですしね......みなさんとお喋りするの楽しかったなあ……喋ってたの俺ばっかでしたけど……とはいえ、この世の根本原理だなんだと言って、みなさんがすでによく知っていることをよくもまあこれだけしつッこく、くっちゃべることができたもんだなあ。俺、面の皮、ぶ厚すぎるな恥ずか......あ、もう行きます? 別れはいつも急にやってきますね。ではまた! みなさん、これまで聞いてくれたこと、照れながら感謝します!

(了)

次回は翌週、7月29日(月)21:00にお目にかかります。


今回は《1/2》と《2/2》に分けてお送りしました。

  • ひとつまえの記事(1/2)はこちら。


前回(第11回)の記事はこちら。


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医学はこの世の根本原理にもとづかないで、人種差別論理に頼る《1/2》

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第12回

 えっと、ここまで何をお喋りしてきたんでしたっけ?


 こういうことでしたっけね? 箇条書きで挙げてみますね?


.大木であれ、俺の身体であれ、他人の脳であれ、音であれ、俺の過去体験記憶像であれ、身体に起こる出来事であれ、何であれそれを捉えるというのは状況を捉えるということである状況・最小単位説)。


 この「状況を捉える」というのは、「状況把握」をするということだ(現在までの状況の推移を把握すると同時に、そこから、現在以後の状況の推移を類推するということだ)って、一緒に確認しましたよ、ね?


この状況・最小単位説は当然ひとについても当てはまる


 ひとを捉えるというのは「そのひとが渦中にいる状況がどんなかを捉える」こと、でしたね。


 じゃあ、「そのひとが渦中にいる状況がどんなかを捉える」ことというのを、みなさんがいつも使う言葉で言い換えると、どうなるのだったか、覚えてます?


 そうですそうです、「そのひとの身になる」、でしたね。ひとを捉えるとはそのひとの身になること、でしたね。医学が統合失調症と診断し、永遠に理解され得ない人間であると決めつけてきた男性患者さんを例に、そのことを確認しましたよね。


医学はひとの身になろうとしない


 ひとの身になろうとさえしていれば、医学になら、その男性患者さんのことが完璧に理解できるはずなのに、医学はあろうことか、その男性患者さんのことを、永遠に理解され得ない人間と世間に説明してきたとのことでした。そのことから、医学にはそもそも、ひとの身になろうとする気はないんだ、すなわち、「そのひとが渦中にいる状況がどんなかを捉え」ようとする気はないんだってことがわかりました、ね? じゃあ、医学はその代わりに何をするのか。


医学はひとの身体に起こる出来事を一点のせいにする医学の出来事観


 ってことだったじゃないですか、ね? で、その出来事観についてはこういうことを確認しました、ね?

出来事を一点のせいにするというのはどういう論理か

  • (a)出来事が好ましい場合には、すべてをその一点のおかげとし、その一点を過大評価すること。
  • (b)出来事が好ましくない場合には、すべてをその一点におっかぶせ、その一点をとり除きさえすればいいとすること(排外主義の論理)。


しかし身体に起こる出来事を一点のせいにすることはできない物理学も化学も出来事を一点のせいにできるなどとは教えてこなかった


 物理学も化学も、出来事を一点のせいになんかしないってことを、力学を例に確認しました、ね? 物理学や化学も、物理学や化学なりに、状況を捉えようとしてきたんだってことでした、ね? そのために、物理学や化学は数々の法則を編み出してきたんじゃないのかなって俺、たしか言いましたよね?


身体に起こる出来事を一点のせいにするというのは、その一点を「状況に関係なく当の出来事を起こすもの」(当の出来事を起こす原因であることにしその一点があれば当然当の出来事が起こってくるってことにすることである。

  • (a)そんな一点(原因)はこの世に存在しない(そんな一点を特定したと言っているひとは、都合の良いデータしか見ていない)。
  • (b)それでもそうした一点(原因)を特定しようとすると、つぎのことが起こる。

①いくつかの都合の良いデータしか見ないで、誰かがそうした一点(原因)を特定したことにする。

②追試でその説の真偽を確かめようとした他のひとたちが、その説には都合の悪いデータに出くわし、その説に異議を申し立てることになる。

③そこで医学は、誰かが挙げたその一点を、探し求めている一点(原因)の一片であることにしておいて、再度、特定作業をやり直す。

④以後、上記①から③のくり返しが何度も起こり、探し求めている一点(原因)の一片とされるものがやたらめったら増えていく(それら一片同士を都合良く結びつけて、当の出来事が起こるメカニズムであることにする)。


今回は記事を《1/2》と《2/2》に分けてお送りします。


前回(第11回)の記事はこちら。


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医学のものの見方が雑すぎることを、HPVワクチンを例に確認する〈8/8〉

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第11回

7/8からのつづき

◆医学の出来事観と物質観にもとづくと(結論)

 以上、医学のHPVワクチン観を、3つの段階にわけて見てきました。医学は医学の出来事観と物質観にもとづいてこう考えるってことでしたね。


 HPVワクチンを接種すれば、当然、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される(段階①)。そのように、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されれば、当然、HPVは身体のなかから退治され(段階②)、HPVが身体のなかから退治されれば、当然、子宮頸がんにならなくなる(段階③)んだ、って。

箇条書きにすると

  • 段階①:HPVワクチンを接種すると、当然、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される。
  • 段階②:HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されれば、当然、HPVは身体のなかから退治される。
  • 段階③:HPVが身体のなかから退治されれば、当然、子宮頸がんにならなくなる。


 それを図示するとこうなるとのことでしたね。

●HPVワクチン接種(A)

↓・・・段階①

●HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される(B)

↓・・・段階②

●HPVが身体のなかから退治される(C)

↓・・・段階③

●子宮頸がんにならなくなる(D)


 医学はこのように、医学の例の不適切な出来事観と物質観にもとづいて考えることによって、(A)から(B)、(B)から(C)へそれぞれ行かない可能性(都合の良いことが身体に起こってこない可能性)を見落とすんだってことでしたね。また、(A)(B)(C)それぞれから事が悪いほうに進む可能性(都合の悪い出来事が身体に結果として起こってくる可能性)も見落とすんだ、って。つまり、HPVワクチンを接種(A)しても、子宮頸がんにならなくなる(D)っていう都合の良いことが、起こってこないっていう可能性や、HPVワクチンを接種した(A)結果、都合の悪い出来事が身体に起こってくるっていう可能性を見落とすんだ、って。


 で、いきなりHPVワクチンを夢のワクチンだと世間に大声で自信満々に安請け合いしたりするんだ、って。


 HPVワクチンを例に、ここまで、医学の例の不適切な出来事観と物質観にもとづくと、どういうことになるか、大雑把に見てきました。そうした不適切な出来事観と物質観にもとづいて、薬剤や手術等を見るとつぎのふたつの可能性を見落とすことになるといまや言えるんじゃないですか、ね?

  1. 結果として、都合の良いこと(薬剤や手術等に期待していること)が身体に起こってこないっていう可能性
  2. 結果として、都合の悪い出来事が身体に起こってくるっていう可能性


 で、薬剤や手術等をいきなり医学に都合良く見過ぎることになるんじゃないですか、ね? 


 そしていきなり夢の新薬施術爆誕! なんて軽々しく喧伝してしまうことになるんじゃないのかなあ。夢の新薬・施術であるかどうかは、実際にいろんなひとに試してみたあとじゃないとわからないというのに。


今回は記事を〈1/8〉〜〈8/8〉の8つに分けてお送りしました。

  • ひとつまえの記事(7/8)はこちら。

  • 今回の〈1/8〉はこちら。


前回(第10回)の記事はこちら。


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医学のものの見方が雑すぎることを、HPVワクチンを例に確認する〈7/8〉

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第11回

6/8からのつづき

◇HPVワクチンを接種すると(段階①)

 医学のHPVワクチン観を見ていますよ。残すは段階①だけとなりましたね。医学のHPVワクチン観は何度も言っていますように、こういうものだと思われます。

【箇条書きにすると】

  • 段階①HPVワクチンを接種すると当然HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される
  • 段階②:HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されれば、当然、HPVは身体のなかから退治される。
  • 段階③:HPVが身体のなかから退治されれば、当然、子宮頸がんにならなくなる。


 それを図示するとこうなりました、ね?

HPVワクチン接種(A)

↓・・・段階①

HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される(B)

↓・・・段階②

●HPVが身体のなかから退治される(C)

↓・・・段階③

●子宮頸がんにならなくなる(D)


 段階①は図では(A)→(B)に当たりますね。


 ここまではこういうことでした。


 まず医学は医学の出来事観にもとづいて、子宮頸がんをHPV一点のせいにする。そうすることによって、身体のなかからHPVが退治されれば、当然、子宮頸がんにならなくなる(段階③)ってことにする。


 ついで医学の物質観にもとづき、HPVを身体に退治させる原因となる物質があるはずだと考え、そうしたものとしてHPVにたいする抗体を挙げてくる。そうして、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されれば、当然、HPVは身体のなかから退治される(段階②)ってことにする、って。


 さあ、このつづきを見ていきますよ。


 ここで医学は、どうすればHPVにたいする抗体が身体のなかに産出されるかを考えます。そして医学の物質観にもとづいてこう決めつけます。

医学の物質観前出)】

  • 表現①:物質それぞれは、身体に特定の出来事を起こす原因である(原因という言葉をもちいての定義)
  • 表現②:物質それぞれは「状況に関係なく身体に特定の出来事を起こすもの」である(原因という言葉をもちいない定義)
  • 表現③:おなじ物質をおなじように摂取・接種すれば、当然、身体におなじ特定の出来事が起こる。


 身体にHPVにたいする抗体を産出させる原因(上記表現①より)となる物質があるにちがいないんだ、って。


 そうした物質を開発したと言って医学が世間に向かって示したのが、HPVワクチンだったわけですよ、ね?


 医学はHPVワクチンを、身体にHPVにたいする抗体を産出させる・原因と見るといま言いました。つまりそれは、HPVワクチンを「状況に関係なく身体にHPVにたいする抗体を産出させるもの」と見るということですよね(表現②より)。


 すなわち、HPVワクチンを接種すれば当然、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される(表現③=段階①)と見るということです、ね?


 でも、ずっと確認してきたじゃないですか。原因なんてものはこの世に存在しないんだ、って。おなじ物質をおなじように摂取・接種しても、ひとによって、もくしはおなじひとでも時と場合によって、身体に起こる出来事がしばしば異なるのがむしろ現実なんだ、って。なら、いまの場合、どうなります? HPVワクチンをおなじように接種しても、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されるっていう都合の良いこと(A→B)が起こらないひとがいても何ら不思議はないってことになるんじゃないですか、ね? いや、ひょっとすると、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されないそんなひとはいないのかもしれませんよ。でも、事前に、そんなひとはいないんだって請け合うことはできないじゃないですか、ね?


 HPVワクチンを医学の物質観にもとづいて見ると、このように、HPVワクチンを接種しても、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されるっていう都合の良いことが起きてこない可能性(AからBに行かない可能性)を見落とすことになるんじゃないですか、ね?


 けど、見落とすことになるのはやはりそれだけにとどまりません、ね?


 HPVワクチンを接種すると、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される(A→B)のだと仮にしてもですよ、ほんとうにそんな都合の良いことしか身体に起こってこないのかって思いません? 都合の悪い出来事が身体に起こってきたって全然不思議じゃないじゃないですか、ね? いや、そんな都合の悪い出来事なんか身体に起こってこないのかもしれませんよ。けど、起こってくる可能性は、事前には否定できませんよ、ね?


 ほら、都合の悪い出来事が身体に起こってくるっていう可能性(Aから事が都合の悪いほうに進む可能性)も見落とすことになるじゃないですか、ね?

 

今回は記事を〈1/8〉〜〈8/8〉の8つに分けてお送りしています。

  • ひとつまえの記事(6/8)はこちら。


前回(第10回)の記事はこちら。


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医学のものの見方が雑すぎることを、HPVワクチンを例に確認する〈6/8〉

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第11回

5/8からのつづき

◆身体のなかにHPVにたいする抗体ができると(段階②)

 医学のHPVワクチン観について見ています。段階②に移りますね。

医学のHPVワクチン観を箇条書きにすると

  • 段階①:HPVワクチンを接種すると、当然、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される。
  • 段階②HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されれば当然HPVは身体のなかから退治される
  • 段階③:HPVが身体のなかから退治されれば、当然、子宮頸がんにならなくなる。


 それを図示するとこうなりましたね。

●HPVワクチン接種(A)

↓・・・段階①

HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される(B)

↓・・・段階②

HPVが身体のなかから退治される(C)

↓・・・段階③

●子宮頸がんにならなくなる(D)


 段階②は図では(B)→(C)に当たりますね。


 さきほど段階③を見ましたよね。医学は、医学の出来事観にもとづいて、子宮頸がんをHPV一点のせいにするってことでしたね。そうすることによって、HPVが身体のなかから退治されれば、当然、子宮頸がんにならなくなる(段階③)ってことにするんだ、って。


 ここから段階②に入りますね。


 そのあと医学は、HPVを身体のなかから退治する方法を、医学の物質観にもとづいて考えます。

【医学の物質観(前出)】

  • 表現①:物質それぞれは、身体に特定の出来事を起こす原因である(原因という言葉をもちいての定義)
  • 表現②:物質それぞれは「状況に関係なく身体に特定の出来事を起こすもの」である(原因という言葉をもちいない定義)
  • 表現③:おなじ物質をおなじように摂取・接種すれば、当然、身体におなじ特定の出来事が起こる。


 医学にとって物質それぞれは、身体に特定の出来事を起こす原因と解されるとのことでしたね(上記の表現①)。そんな物質観をもつ医学にはこう思われます。


 身体にHPVを退治させる原因となる物質があるにちがいない、って。


 で、そうした物質として医学が何を挙げてきたかというと、それは、HPVにたいする抗体でした。


 医学はこのように、HPVにたいする抗体を、身体にHPVを退治させる・原因であると考えます。つまり、HPVにたいする抗体を「状況に関係なく身体にHPVを退治させるもの」(表現②)と見なします。すなわち、HPVにたいする抗体が身体のなかにあれば当然HPVは身体に退治される(表現③=段階②)と解します。


 でも、原因なんてそもそも存在しないんだって何度も確認したじゃないですか。おなじ物質をおなじように摂取接種してもひとによって、もくしはおなじひとでも時と場合によって、身体に異なる出来事が起こることシバシバなのがむしろ現実なんだって、くり返し確認したじゃないですか、ね(「物質の現実」より)? アルコールとか、コーヒーとか、毒とか、薬剤とかを例に、ね?  したがって、いまの場合、こういうことになるんじゃないですか、ね? HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されても、HPVが身体のなかから退治されないひとがいても何ら不思議はないってことに、ね? いや、ひょっとするとHPVが退治されないそんなひとはこの世にゼロなのかもしれませんよ。でもそれは、HPVにたいする抗体が身体のなかにあるいろんなひとを実際に調べてみてはじめてわかることであって、調べるまえから、HPVが退治されないそんなひとはいないんだって請け合うことはできないじゃないですか、ね?


 HPVにたいする抗体を医学の物質観にもとづいて見ると、このように、HPVにたいする抗体が身体のなかにあっても、HPVが退治されるっていう都合の良いことが起こってこないっていう可能性(BからCに行かない可能性)を見落とすことになるんじゃないですか、ね?


 けど、見落とされることになるのはそれだけじゃありませんね? 


 HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される(B)と、たしかにHPVが退治される(C)のだと仮にしてもですよ、結果として身体に起こるのはそんな都合の良いこと(B→C)だけかと思わません? 都合の悪い出来事が身体に起こってきたって全然不思議じゃないじゃないですか、ね? いや、そんな都合の悪い出来事は身体に起こってこないのかもしれませんよ。起こってこないのかもしれませんけど、起こってこないって事前に請け合うことはやっぱりできませんよ、ね?


 ほら、都合の悪い出来事が身体に起こってくるっていう可能性(Bから事が都合の悪いほうに進む可能性)も見落されることになるじゃないですか、ね?


 じゃあ、つぎに移りますね。


今回は記事を〈1/8〉〜〈8/8〉の8つに分けてお送りしています。

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医学のものの見方が雑すぎることを、HPVワクチンを例に確認する〈5/8〉

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第11回

4/8からのつづき

◇一点をとり除いた結果、身体に都合の悪い出来事が起こってきた例

 胃にがんができるのを医学は最近、ピロリ菌一点のせいにするようになったじゃないですか。ピロリ菌を、胃がんの原因とか胃がんを発症させる原因とか言うようになりました、ね? で、ピロリ菌をとり除きさえすればいいんだとり除きさえすれば胃がんにならなくなるんだと言って、ピロリ菌除去をし出したじゃないですか。たしかに、ピロリ菌を除去すれば、胃がんにならなくなるのかもしれませんよ。そんな都合の良いことが起こるのかもしれませんよ*1。けど、ピロリ菌を除去した結果、身体に起こるのは、そんな都合の良いことだけなのかなって、誰しも不安になるじゃないですか。ピロリ菌を除去した結果、都合の悪い出来事が身体に起こってきても何ら不思議はないんじゃないのかな、って?


 で、実際、ピロリ菌除去をいろんなひとにしていってみると、都合の悪い出来事が身体に起こってくるひともいるって、明らかになってきたんじゃないですか、ね? ピロリ菌除去を提唱した医師がいま、ピロリ菌除去に警鐘を鳴らしているってたしか読みましたよ。みずから率先してピロリ菌除去をやったところ、逆流性胃腸炎か何かになったんだ、って。


(いま言ったピロリ菌除去提唱者の話は、たしかうえからふたつ目の記事に載っていたと思います)


 胃がんをピロリ菌のせいにし、その一点をとり除きさえすればいいんだ、それさえとり除けば胃がんにならなくなるんだとするこのピロリ菌除去とおなじように、子宮頸がんをHPVのせいにし、その一点をとり除きさえすればいいんだ、それさえとり除けば子宮頸がんにならなくなるんだとして、HPVを身体のうちから除去した結果、ひとによっては、都合の悪い出来事が身体に起こってきても何ら不思議はないじゃないですか。いや、ひょっとするとそんな、都合の悪い出来事が起こるひとは出てこないのかもしれませんよ。でも、確実なことは実際にHPVをとり除いてみないことにはわかりません 都合の悪い出来事は身体に起こってこないんだって事前に決めつけることはできませんよ、ね?


(肝炎ウイルスを除去したあと肝臓がんになった方のお話もどうぞ)


 医学は、身体に起こる出来事を一点のせいにする出来事観にもとづいて、子宮頸がんになるのをHPV一点のせいにし、身体のなかからHPVが退治されれば、当然、子宮頸がんにならなくなる(段階③)んだとするってことでしたよね。で、HPVをとり除きさえすればいいんだとするってことでしたね。そうすることによって、HPVをとり除いた結果、都合の悪い出来事が身体に起こってくるっていう可能性を、いま見ましたように、無視するということでしたね。自分たちの生活が苦しいのを、国内の移民一点のせいにし、移民を国から排除しさえすればいいんだとする排外主義者が、移民がいなくなったあとの国の状態を考えもしないみたいに、ね?


 いやあ、それにしても、こんなふうに、身体に起こる出来事を一点のせいにし、その一点をとり除きさえすればいいんだとすることによって、都合の悪い出来事が結果として身体に起こってくる可能性を無視するっていうのは、医学にはよく見られることなんじゃないのかな。

がん検診の大罪 (新潮選書)

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今回は記事を〈1/8〉〜〈8/8〉の8つに分けてお送りしています。

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*1:ちなみに、ピロリ菌を除去しても、胃がんにならなくなるっていう都合の良いことが起こってこない可能性もあるって指摘するひともいます、ね?

医学のものの見方が雑すぎることを、HPVワクチンを例に確認する〈4/8〉

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第11回

3/8からのつづき

◆医学は子宮頸がんをHPV一点のせいにする(段階③)

 まず段階③から見てみますね。


 医学のHPVワクチン観とよんで俺が先に示したのはこういうものだったじゃないですか。

箇条書きにすると

  • 段階①:HPVワクチンを接種すると、当然、HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される。
  • 段階②:HPVにたいする抗体が身体のなかに産出されれば、当然、HPVは身体のなかから退治される。
  • 段階③HPVが身体のなかから退治されれば当然子宮頸がんにならなくなる


 それを図示するとこうなりましたね。

●HPVワクチン接種(A)

↓・・・段階①

●HPVにたいする抗体が身体のなかに産出される(B)

↓・・・段階②

HPVが身体のなかから退治される(C)

↓・・・段階③

子宮頸がんにならなくなる(D)


 これから見ていく段階③は図では(C)→(D)に当たりますよ。


 さて、段階③となづけたものの見方はどのようにして生まれ来たったのか


 医学は身体に起こる出来事を一点のせいにし、その一点をとり除きさえすればいいとするんだってずっと言ってきたじゃないですか。そんな排外主義的論理をとるんだ、って。


 医学は子宮頸がんについてもそうした出来事観をとります。子宮頸部にガンができるという出来事をHPV(Human papillomavirus, ヒト・パピローマウィルス)一点のせいにし、HPVを子宮頸がんを起こす原因(状況に関係なく子宮頸がんを起こすもの)であることにします。そうして、HPVを身体のなかから退治すれば、当然、子宮頸がんにならなくなる(段階③:C→D)っていうことにします。


 で、その一点を身体のなかからとり除きさえすればいいHPVを身体のなかから退治しさえすればいい)とします。そうすることによって、HPVを身体のなかから退治した結果、都合の悪い出来事が身体に起こってくるっていう可能性(Cから事が悪いほうに進む可能性を含む)を一切考える必要が無いことにします


 でもですよ、HPVを身体のなかから退治すれば、たしかに子宮頸がんにならなくなるっていう都合の良いことが起きるのだ(C→D)と仮にしても、HPVを身体からとり除いた結果、都合の悪い出来事が身体に起こってくるっていう可能性はやはり考えられるじゃないですか


 たとえば、蚊に刺されることを無くすために、蚊をこの世から抹殺しようと考えるとしますよ。蚊をこの世から抹殺できれば、たしかに蚊に刺されるということは無くなります、ね? でも、蚊を抹殺した結果、起こるのはそんな、蚊に刺されなくなるっていう都合の良いことだけですかね? ひょっとすると、生態系が崩れて(食物連鎖を小学校の理科で習いましたね?)人間にとっての害虫が増え、農作物に被害が出るといったような都合の悪い出来事も結果起こってくるかもしれないって、誰しも心配になるじゃないですか、ね? その心配はたしかに杞憂に終わるかもしれませんよ。杞憂に終わるかもしれませんけど、でも、蚊を抹殺した結果、都合の悪い出来事も起こってくるのか、それとも起こってこないのかは、実際に蚊を抹殺してみないことにはわからないじゃないですか、ね?


 それとおなじで、HPVを身体のなかからとり除いた結果、身体に起こるのは、子宮頸がんにならなくなる(蚊に刺されなくなることに相当)っていう都合の良いことだけなのかなって、最初に誰しも不安に思うじゃないですか。結果何か都合の悪い出来事が身体に起こってきても不思議はないんじゃないのかな、って?


 実際に前例ありますし、ね?


(どんな結果が夜空のムコウに待っているんでしょうね?)


今回は記事を〈1/8〉〜〈8/8〉の8つに分けてお送りしています。

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