(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

統合失調症の「思春期に発症し、典型的な経過がみられたケース」を理解するpart.1(統合失調症理解#16)(2/2)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.33 まずは引用第1部から。 十九歳のNさん〔引用者注:同書ではお名前が出ていますが、ここでは以下、伏せさせてもらいます〕は、精神科の外来を受診した当日に入院となった。幻聴のせいで苦しくなり、ビ…

統合失調症の「思春期に発症し、典型的な経過がみられたケース」を理解するpart.1(統合失調症理解#16)(1/2)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.33 この世に異常なひとなどただの一人も存在し得ないということを以前、論理的に証明しましたよね。 〈参考:そのときの記事をいちおう挙げておきますね。〉 そしてそれは、この世に、「理解不可能」なひ…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(6/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 とはいうものの、結局はこの型も、さっき見た「現実修正解釈」型であると言ってしまったほうが、もしかすると、いいのかもしれないと考えないでもありません。 だって、箇条書きにするとこう言い直せま…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(5/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 でも、「ゴキちゃんが出た!」と叫びながら、とっさに飛びあがって驚いている最中、みなさんは同時にこんなふうにも頭を働かせはしませんか。 いま、視野の隅を黒いものが横切ったように見えた。たしか…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(4/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 ◆「勝手にひとつに決めつける」型 ではもうひとつのほうに話を移しましょう。そのふたつ目については冒頭で、「勝手にひとつに決めつける」型と名づけました。いまから、それを、以前にもちいた事例を…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(3/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 いまの推測を箇条書きにしてみとめてみますね。 ①朝、オレンジジュースを飲んでいるとき、窓から身を投げて死のうという衝動に駆られる(現実)。 ②自分が窓から身を投げて死のうと意思したはずはない…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(2/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 ◆「現実修正解釈」型 まずは、前者の「現実修正解釈」型から見てみますよ。短編「統合失調症の『声が命令してくる(幻聴)』を理解する」*1でとり挙げた「幻聴」と呼ばれる事例を再引用します。 ジャズ…

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(1/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32 目次・〝統合失調症〟の症例がふたつに分かれる・「現実修正解釈」型・「勝手にひとつに決めつける」型 ◆〝統合失調症〟の症例がふたつに分かれる 昨年2020年の2月頃からずっと、統合失調症と診断され…

「神のお告げが聞こえた」に肉薄しよう(「統合失調症の◯◯を理解する」シリーズのspin-off)

今年2020年の2月初頭からずっと、「統合失調症の◯◯を理解する」というタイトルで、記事を書いてきました*1。統合失調症と診断されたひとたちに、実際に記事のなかに登場してもらい、そのひとたちの統合失調症の症状とされる体験が、医学の見立てに反し、「理…

精神医学の「統合失調症のひとには病識がない」という言い草に、温厚なみなさんですら激怒する理由(4/4)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.31 ◆「真に自覚あるもの」と「真に自覚無きもの」 さあ、遅ればせながら、核心に近づいてきましたよ。先にこう指摘しておきましたよね。(精神)医学が統合失調症と診断し、「理解不可能」と決めつけてき…

精神医学の「統合失調症のひとには病識がない」という言い草に、温厚なみなさんですら激怒する理由(3/4)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.31 ◆おのれの人間理解力が未熟であることの自覚がない そうした差別的扱いを受けてきた例として誰にもまず、ぱっと思い浮かぶのは、統合失調症と診断されてきたひとたちではないでしょうか。そのひとたち…

精神医学の「統合失調症のひとには病識がない」という言い草に、温厚なみなさんですら激怒する理由(2/4)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.31 ◆一部のひとたちを異常と決めつけ、差別する いま、(精神)医学が、健康を正常であること、病気を異常であること、と独自に定義づけてきたということをまず見ました。 でも、これも以前に確認したこと…

精神医学の「統合失調症のひとには病識がない」という言い草に、温厚なみなさんですら激怒する理由(1/4)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.31 目次・健康、病気の定義から・一部のひとたちを異常と決めつけ、差別する・おのれの人間理解力が未熟であることの自覚がない・「真に自覚あるもの」と「真に自覚無きもの」 ◆健康、病気の定義から (精…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(統合失調症理解#15)(8/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.30 ◆締めの言葉 さあ、最後に全体を振り返りましょう。 (精神)医学はあるひとたちのことを統合失調症と診断し、やれ「人間の知恵をもってしては永久に解くことのできぬ謎」だ、「了解不能」だと、好き勝…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(統合失調症理解#15)(7/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.30 ◆言葉遣いまで「理解不可能」であることにする だけど、(精神)医学は貪欲です。思考や表現内容に止まらず、隙あらば、患者の言葉遣いまで「理解不可能」であることにしようとします。先の引用のつづ…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(統合失調症理解#15)(6/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.30 ◆表現内容まで「理解不可能」であることにする 冒頭からここまでを簡単にふり返ると、こういうことでした。 はじめに、音大生さんが「理解可能」であることを確認しましたよね。音大生さんは単に、「ま…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(統合失調症理解#15)(5/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.30 ◆障害という言葉を使って「理解不可能」と表現する さて、そんな(精神)医学は先の引用文のなかで、音大生さんのことを「理解不可能」と表現するのに、「思考障害」という言葉を使っていました。 どう…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(統合失調症理解#15)(4/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.30 ◆「理解可能」なひとを「理解不可能」であることにする ところが、(精神)医学には、おのれの人間理解力が未熟であるという自覚はこれっぽっちもありません。むしろ反対に、(精神)医学の人間理解力…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(統合失調症理解#15)(3/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.30 いまこう推測しましたよ。 音大生さんは、「まわり」のひとたちにどう思われているか、気になって仕方がなかった(現実)。しかしその音大生さんには、自分が「まわり」のひとたちにどう思われているか…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(統合失調症理解#15)(2/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.30 ◆話が途切れ途切れになる 音楽大学の学生さん(以下、音大生さんと呼ばせてもらいます)の例からはじめますよ。音大生さんは、精神科医への問いかけに途切れ途切れの応答を見せたと言います。 考えを纏…

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(統合失調症理解#15)(1/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.30 目次・いつもの前置き・話が途切れ途切れになる・「理解可能」なひとを「理解不可能」であることにする・障害という言葉を使って「理解不可能」と表現する・表現内容まで「理解不可能」であることにす…

統合失調症の「メッセージを受けとる」「世界は僕のためにある」「テレパシーで交信した」を理解するvol.9(統合失調症理解#14)(6/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.29 ◆(精神)医学も「現実を自分に都合良く解釈する」 でも(精神)医学は、それとは正反対の自信をずっともってきました。(精神)医学の人間理解力は完全無欠であるはずだという自信を、ね? で、その自…

統合失調症の「メッセージを受けとる」「世界は僕のためにある」「テレパシーで交信した」を理解するvol.9(統合失調症理解#14)(5/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.29 ◆全9回をとおして確認できたこと さて、ここまで、統合失調症を「突然発症した」とされる日とその翌日の模様を、小林さん本人が、赤裸裸かつ克明に語ってくれているのを、謹聴してきました。大変勉強…

統合失調症の「メッセージを受けとる」「世界は僕のためにある」「テレパシーで交信した」を理解するvol.9(統合失調症理解#14)(4/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.29 ◆とんねるず木梨がすずめの声で交信しはじめる では、先に進みましょう。小林さんはこのあと、すずめの鳴き声を聞いたと言っていました。その鳴き声を聞いているうち、「だんだんそれが日本語に聞こえ…

統合失調症の「メッセージを受けとる」「世界は僕のためにある」「テレパシーで交信した」を理解するvol.9(統合失調症理解#14)(3/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.29 でも、ここは、こう解したほうがわかりやすいかもしれませんね。 ◆別の解し方 政府に日中つけ回されたと思い込んでいた小林さんが帰宅後もずっと、ビクビクしているらしいことを、ここまで確認してきて…

統合失調症の「メッセージを受けとる」「世界は僕のためにある」「テレパシーで交信した」を理解するvol.9(統合失調症理解#14)(2/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.29 いまこう推測しましたよ。振り返ってみますね。 朝の4時ころ、新聞配達の物音がした(現実)。しかし小林さんには、こんな時刻にひとが配達に来ているはずはないという「自信」があった。このように「…

統合失調症の「メッセージを受けとる」「世界は僕のためにある」「テレパシーで交信した」を理解するvol.9(統合失調症理解#14)(1/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.29 あらすじ 小林和彦さんの『ボクには世界がこう見えていた』(新潮文庫、2011年)という本をとり挙げさせてもらって、今回で9回目、最後になります。 小林さんが統合失調症を「突然発症した」とされる…

統合失調症の「メッセージを受けとる」「世界は僕のためにある」「テレパシーで交信した」を理解するvol.8(統合失調症理解#14)(7/7)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 いまさっき、こう言いましたよね。小林さんは何かの拍子に、ふだんよく耳にするフィル・コリンズの曲を頭のなかでつい再生してしまったのかもしれませんね、って。 でも、小林さんには、自分がそこでそ…

統合失調症の「メッセージを受けとる」「世界は僕のためにある」「テレパシーで交信した」を理解するvol.8(統合失調症理解#14)(6/7)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 ◆フィル・コリンズも交信に加わってくる さらに小林さんは、こうも書いていますよ。 フィル・コリンズが自分も交信できることを主張し、僕の心臓の鼓動を支えるようにドラムを叩いてくれた。色んな人に…

統合失調症の「メッセージを受けとる」「世界は僕のためにある」「テレパシーで交信した」を理解するvol.8(統合失調症理解#14)(5/7)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.28 ◆同時に自分の閃きを疑う でも、いま例に出しました間違い電話の場合、いつも慎重なみなさんなら、どうします? 「また、おなじひとからかも」と閃いたそのとき、同時に、その閃きを疑ってもみませんか…