(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

医学は「みんな違ってみんなイイ」と言って「多様性」を口先では肯定しているが、やっていることは実はそれとは正反対ということはないか(4/7)

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.62


◆②医学に不当にも異常と決めつけられ、差別されてきたのは誰か

 それは、以前から何度も確認していますように、いわゆる「標準を下回っているひとたち」です。


 医学は社会通念に無批判に基づき、世間がやるのとおなじように、人間を、標準的なひとたち、標準を上回っているひとたち(優れているひとたち)、標準を下回っているひとたち(劣っているひとたち)、の3グループに分けてきました(人間集団のどこを「標準」とするかに、たった一つの見方しかない、ということは決してないことを、是非とも常に頭の隅に置いておきたいところです)。で、その「標準を下回っているひとたち」を、不当にも異常と決めつけ、差別してきました。


 ここでは、そのひとたちがそうして差別されることになった顛末についてはもう詳しく見ませんよ。先を急ぎます。

 

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その顛末はここで見ました。

①簡単な見方

②すこし込み入った見方

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 ほんとうは他のみんなとおなじく正常であるにもかかわらず、医学に不当にも異常と決めつけられ差別されるのは、「標準を下回っているひとたち」です。よって、医学が勝手におのれの使命としてきた「異常なひとを無くす」を果たすための先述の4手はこう言い換えられることになります。

  1. 標準を下回っているひとを、標準以上にする(治療)。
  2. ひとが、標準を下回らないようにする(予防)。
  3. 標準を下回ったひとが生まれてこないようにする(優生保護)。
  4. 標準を下回っているひとたちを殺す。





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*今回の最初の記事(1/7)はこちら。


*前回の短編(短編NO.60)はこちら。


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