*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.58
目次
・まずひとを、標準、優、劣、に分ける
・正常か異常かを決める基準はどこから来るか
・いっぽうの不合致はあがめ、もういっぽうの不合致は問題視する
この短編集「統合失調症と精神医学と差別」のなかで以前に確認したつぎの5つの基本事項を、そのときに用いたのとは別の、もっと簡単なやり方で、順に再確認しているところです。
ここまで、つぎの1と2を、イメージというものに着目する仕方で再確認しました。今回は3を見ますね。
- 正常、異常とは何か(短編NO.1)。
- 異常なひとはこの世にただのひとりも存在し得ない(短編NO.2)。
- 医学の名のもと不当にも異常と決めつけられ、差別されるのは、誰か(短編NO.3)。
- 障害、障がい、障碍、はどれもみな差別用語である(短編NO.4)。
- この世に「理解不可能」なひとなどひとりたりとも存在し得ない(短編NO.6)。
シツコクくり返し言っていますように、(精神)医学は健康を正常であること、病気を異常であることと定義づけてやってきました。でも、異常なひとはこの世にただのひとりも存在し得ない(前掲2)ということでしたよね。言うなれば、ひとはみな正常なんだ、って。
にもかかわらず、(精神)医学は一部のひとたちを異常と判定し、○○病だとか、◇◇障害だとか、△△疾患に罹患しているだとかと表現してきました。そうして、ほんとうは他のみんなとおなじく正常であるそのひとたちを不当にも異常と決めつけ、差別してきた、ということでした。
では、いまから、その差別されてきた一部のひとたちとはいったい誰なのか、イメージに着目するあらたな、簡単な仕方で見ていきます。
*前回の短編(短編NO.57)はこちら。
*このシリーズ(全61短編を予定)の記事一覧はこちら。