*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.56
すなわち、ひとを正常と判定するというのは、そのひとの実際のありようを、こちらがひとというものにたいしてもっている「ひととはコレコレこういうものだ」というイメージに合致していると見、そのイメージに合致していることをもって、そのひとを問題無しと考えるということであるいっぽう、ひとを異常と判定するというのは、そのひとの実際のありようを、こちらの頭のなかにあるその「ひととはコレコレこういうものだ」というイメージに合致していないと見、そのイメージに合致していないことをもって、そのひとを問題有りと考えるということだ、って。
ここもまた箇条書きにしてまとめるとこうなります。
ひとを正常と判定するというのは、
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①そのひとの実際のありようを、こちらがひとというものにたいしてもっている「ひととはコレコレこういうものだ」というイメージ(ひとについての定義)に合致していると見、
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②その合致していることをもって、そのひとを問題無しと考えるということ、
かたやひとを異常と判定するというのは、
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①そのひとの実際のありようを、こちらがひとというものにたいしてもっている「ひととはコレコレこういうものだ」というイメージに合致していないと見、
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②その合致していないことをもって、そのひとを問題有りと考えること。
今回冒頭でこう宣言しました。この短編集「統合失調症と精神医学と差別」のなかで、正常、異常について最初に確認した5つの基本事項(詳しくは冒頭を参照されたし)を、別の、もっと簡単なやり方で再確認していきます、って。
今回はそのなかの「正常とは何か、異常とは何か」を、イメージに着目するあらたな仕方で再確認しました。次回は、イメージに着目するこの簡単な仕方で「異常なひとはこの世にただのひとりも存在し得ない」ということを再確認します。
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「正常とは何か、異常とは何か」というこのことを、短編No.1ではつぎのような仕方で確認しました。
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2023年11月20日に文章を一部修正しました(内容はまったく変わっていません)。
*今回の最初の記事(1/4)はこちら。
*前回の短編(短編NO.55)はこちら。
*このシリーズ(全61短編を予定)の記事一覧はこちら。