(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

異常なひとはこの世にただのひとりも存在しないということを、もっと簡単な仕方で確認する(1/4)【短編NO.2の補足】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.57

目次
・ひとを正常もしくは異常と判定するとはどうすることだったか
・現実がイメージに合致していないときにみなさんが本当にすべきこと
・異常なひとはこの世にただのひとりも存在し得ない


◆ひとを正常もしくは異常と判定するとはどうすることだったか

 この短編集「統合失調症と精神医学と差別」のなかで以前に確認したつぎの5つの基本事項を、そのときにもちいたのとは別の、もっと簡単なやり方で、順に再確認しようとしているところです。


 今回はつぎの2番を見ますよ。

  1. 正常、異常とは何か(短編NO.1)。
  2. 異常なひとはこの世にただのひとりも存在し得ない(短編NO.2)。
  3. 医学の名のもと不当にも異常と決めつけられ、差別されるのは、誰か(短編NO.3)。
  4. 障害、障がい、障碍、はどれもみな差別用語である(短編NO.4)。
  5. この世に「理解不可能」なひとなどひとりたりとも存在し得ない(短編NO.6)。


 前回の短編では前掲1を、イメージに着目する非常に簡単な、あたらしい仕方で再確認しました。まずそれを復習しておきましょうか。こういうことでしたね。


 ひとを正常と判定するというのは、

  • ①そのひとの実際のありようを、こちらが、ひとというものに対してもっている「ひととはコレコレこういうものだ」というイメージに合致していると見、
  • ②そのイメージに合致していることをもって、そのひとを問題無しと考えるということ、


 かたやひとを異常と判定するというのは、

  • ①そのひとの実際のありようを、こちらが頭のなかにもっているその「ひととはコレコレこういうものだ」というイメージに合致していないと見、
  • ②そのイメージに合致していないことをもって、そのひとを問題有りと考えること、


 である、って。


 では本題に入りましょう。






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2023年7月3日に文章を一部修正しました。また2023年11月20日にも文章を一部修正しました(内容はまったく変わっていません)。


*前回の短編(短編NO.56)はこちら。


*このシリーズ(全61短編を予定)の記事一覧はこちら。