*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.2
医学は、健康を正常であること、病気を異常であることと定義づけてやってきましたよね。で、異常と診断したひとたちに治療をしてきましたね。
そのように、ひとを正常とか異常とかと判定することの意味を先日確認したの、ひょっとしてみなさん、覚えてくれていますか。こういうことでしたよね。
ひとを正常と判定するというのは、
- ①そのひとを「作り手の定めたとおりになっている」と見(ひとの作り手を「自然」と考えるのか、それとも「遺伝子」と考えるのかは不問に付しておきますよ)、
- ②その「作り手の定めたとおりになっている」ことを、問題無しとすること、
かたや、ひとを異常と判定するというのは、
- ①そのひとを「作り手の定めたとおりになっていない」と見、
- ②その「作り手の定めたとおりになっていない」ことを問題視すること、
である、って(この①と②からなる判定の仕方をしっかり覚えておいてくださいね)。
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以上のことを確認したのはつぎの記事で、でしたよ。
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今回は、この判定の仕方を踏まえたうえで、「異常なひとなど実はこの世にただのひとりも存在し得ない」ということを、機械をもちいて確認していきますよ。
早速ですが、みなさん、機械が異常と判定されるのはどんなときか、ちょっと考えてみてくれますか。
そうですね。機械がちゃんと動かないとき、ですね。厳密な言い方をすると「機械が作り手の思ったとおりには動かないとき」ですね。
では、この「機械がちゃんと動かないとき」をつぎのふたつに分けて見ていきましょう。
- 作り手が機械を、ちゃんと動くように作ることができていないとき
- 作り手が機械を、ちゃんと動くように作ることができているとき
前記1「作り手が機械を、ちゃんと動くように作ることができていないとき」からいきますね。果してその場合、「機械がちゃんと動かない」のを異常と判定することはできるでしょうか。
*今回する確認を、もっと簡単な別のやり方でする回はこちら。
*前回の短編(短編NO.1)はこちら。
*このシリーズ(全64短編を予定)の記事一覧はこちら。