(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

(題)原因丸々ひとつは見つからない

世のなかで原因と言われているものは、実は原因丸々ひとつには達していないのではないか−−−。そう考えたカワグチは原因の残り部分を求めて冒険することに。出来事を一点のせいにすることは誤りであると説く著者が、原因特定法上の瑕疵をあぶりだそうとした迷作。

数量化は状況を把握する方法

*原因丸々ひとつは見つからない第13回 ところがこうなると、またぞろこんなご指摘をうけることになりそうである。よく言うよ、お前さん。お前さんはそうして疫学を肯定しているような言い方をしているが、病気を、タバコや細菌やウィルスといった一箇所のせ…

数量化からわかることは何か

*原因丸々ひとつは見つからない第12回 ここでは、疫学(数量化)から何を知ることができるのかを理解するのに一見まったく何も関係がなさそうな、見る、ということについて考えてみる。 みなさん、俺のことを草原にいると思ってください。俺の前方にひらけ…

お別れのまえに

*原因丸々ひとつは見つからない第11回 俺たちは今までいろんな出来事について原因を特定してきたことになっている。しかし、みなさんと一緒に確認してきてわかったのは、事故や病気といった出来事の原因と言われているブレーキやウィルスや細菌やタバコとい…

カワグチの第二結論

*原因丸々ひとつは見つからない第10回 以上、みなさんと一緒に俺が確かめたのは何でしたでしょう。 最初に俺たちが確かめたのは、俺たちが今まで原因と言ってきたものは実は原因丸々ひとつではなかったということ、そしてまだ特定しえていない原因の残り部…

カワグチ、再度探しモノに出かける

*原因丸々ひとつは見つからない第9回 認知症の原因を特定する例も俺なりに先ほど考察した(二つ目の原因特定法のことを言っています*1)。そしてそこでも、認知症の原因の一部分が特定されないままとり残されているのを確認することになった。この残りの一…

カワグチ、探しモノをはじめる

*原因丸々ひとつは見つからない第8回 原因と言われているものが、実は原因丸々ひとつではないことを、ここまでみなさんと一緒に確認してきた。俺たちが今まで原因丸々ひとつだと思っていたのは、実のところ原因の一部分にすぎず、まだその残り部分を突きと…

カワグチの第一結論

*原因丸々ひとつは見つからない第7回 毒のような一見、中毒死の原因丸々ひとつと考えてもまちがいなさそうなものでさえ、こうして魂こめて考えてみると、原因丸々ひとつではないことが明白になる。いわんや他の場合をやと、みなさん、俺は思うのです。 最…

カワグチは反論を想定する

*原因丸々ひとつは見つからない第6回 しかしここで、毒物による中毒死の場合などは、その毒物が中毒死の原因丸々ひとつであるのは火を見るより明らかではないかとおっしゃるかたも出ていらっしゃるように思います。 みなさん、毒についても詳しく知りはし…

カワグチは原因特定法その2の検証にとりかかる

*原因丸々ひとつは見つからない第5回 今、疫学や動物実験などで用いられるだろう原因特定法について、ど素人なりに俺は思いを致しました。もうひとつ別の原因特定法についても、俺みたいな無知で頭がおかしい人間がやったんじゃ的外れになるかもしれません…

原因特定法その1をカワグチは検証する

*原因丸々ひとつは見つからない第4回 肺にがんができたひとの身体のなかには、そのがんを生じさせた原因丸々ひとつがある。しかし、一生、肺にがんができないひとの身体のなかにも、がんを生じさせる原因の一部分くらいはあってもまったくおかしくない。 …

原因にかんするカワグチの仮説

*原因丸々ひとつは見つからない第3回 養老さんも津田さんもともに、肺にがんを生じさせる原因なるものがあるとして話をしている。俺は今その前提に乗っかったうえで、特定されたと言われている原因が本当に原因丸々ひとつなのかと疑問を呈している。 病気…

カワグチは疑問を提示する

*原因丸々ひとつは見つからない第2回 これから一緒に、原因、について考えていきましょう*1。キー・ワードは原因です。 医学的根拠とは何か (岩波新書) 作者: 津田敏秀 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2013/11/20 メディア: 新書 この商品を含むブログ…

カワグチ・サチジの全青春

*原因丸々ひとつは見つからない第1回 疫学者・津田敏秀さんの『医学的根拠とは何か』を読んでいると、俺、カワグチのもとに、あるひとつの疑問がまざまざとよみがえってくる。20歳代の10年間ずっと不思議に思いつづけていた疑問である。とうとう青年期をド…