(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

カワグチの第一結論

*原因丸々ひとつは見つからない第7回

 毒のような一見、中毒死の原因丸々ひとつと考えてもまちがいなさそうなものでさえ、こうして魂こめて考えてみると、原因丸々ひとつではないことが明白になる。いわんや他の場合をやと、みなさん、俺は思うのです。


 最近、子宮頸がん予防ワクチンで重篤な副作用が出たという哀しい事件がある。ワクチンを摂取したひとがはげしい痙攣をおこしているのを俺はテレビで見たが、 もしこのワクチンに子宮頸がん予防効果があるのであれば、これは One man’s meat is another man’s poison.だと言えるだろう(このワクチンが誰かにとって肉になるのかどうか俺はまったく知らないが)。稚拙な考え方だが、ここまで確認してきたところを適用するとこうなると俺は考える。ワクチンが原因丸々ひとつなのではない。それは原因の一部分にすぎない。ワクチンが、「原因Aの残り部分」とあわさって原因A丸々ひとつがそろったとき、その原因A丸々ひとつが副作用を発生させ、 「原因Bの残り部分」とあわさって原因B丸々ひとつがそろったとき、その原因B丸々ひとつが予防効果(あるのかないのか無知な俺にはまったくわからないとここでも言っておきたい)を生じさせるんじゃないか、と。


 また最近は食物アレルギーの子供がいると言う。しかし今ここで言っていることからすると、ピーナッツ・バターや小麦はそうした食物アレルギーの原因丸々ひとつではないことになる。ピーナッツ・バターや小麦を口にしてもまったく大丈夫な子供たちも多いし、そもそもひと昔まえは食物アレルギーなんて聞いたことがなかった(そういう子供は、今ほど多くはないにしてもいたんだろう)。ピーナッツ・バターや小麦が、原因の残り部分とあわさって原因丸々ひとつがそろったときはじめて、食物アレルギーが引き起こされる。ピーナッツ・バターや小麦を口にしても大丈夫な子供たちは、原因のこの残り部分を身体のなかに持っていないんじゃないだろうか。また昔は原因のこの残り部分を身体のなかにもっている人間が今より少なかったということなんじゃないか。


 みなさん、俺は冒頭で疑問を呈しました。


 事故や病気の原因と言われている、ブレーキやノロウィルスやペストやタバコなどは原因丸々ひとつなんだろうか、と。ひょっとして原因の一部分だけだということはないんだろうか、と。で、愚かな俺なりに、原因特定法と思うものを二つあげて、俺たちが原因と言っているものや、原因と言ってきたものが、実は原因丸々ひとつではなく、原因にはまだ突きとめていない残り部分があることを、稚拙な論理展開ではありましたが確認した次第です。


 俺カワグチは笑われながらもこう言います。


 原因丸々ひとつはまだ特定されたことがない。


 出来事を満足いくよう説明するためには、まだ突きとめられていない原因の残り部分を特定しないといけない、と。

つづく


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