(新)Nothing happens to me.

科学はボタンをかけ違えたまま来たのではないでしょうか。

カワグチの第二結論

原因丸々ひとつは見つからない第10回

 以上、みなさんと一緒に俺が確かめたのは何でしたでしょう。


 最初に俺たちが確かめたのは、俺たちが今まで原因と言ってきたものは実は原因丸々ひとつではなかったということ、そしてまだ特定しえていない原因の残り部分について考えるのがとても大事だということだった。


 で、次に俺たちは、特定し残している原因の残り部分を特定するための未曾有の探求旅行に出かけた。が、そこで俺たちが認めることになったのは、まだ突きとめられていない原因の残り部分を探しに出ても、その残り部分丸々ひとつは見つけられないということだった。こうして、俺たちは、原因丸々ひとつを突きとめることはできないということを確認するにいたったわけである。


 けれどもなぜこのように、原因丸々ひとつは見つけられないんだろうか


 みなさんは、なぜだと思います? 俺はというと、こう考えます。


 魂をこめて俺たちは原因丸々ひとつを探してきた。ところが見つからなかった。ひょっとして俺たちは、ありもしないものを探していたんじゃないだろうか。そもそも原因などというものは存在しないんじゃないか。ないものはどんなに探したって見つかるはずがはない。


 原因とは何か。


 みなさん、事故の原因とは何ですか。それは事故という出来事を生じさせた一箇所のことです。事故の原因を特定するとは、事故という出来事が生じたのを一箇所(たとえばブレーキ)のせいにすることです。


 肺がんの原因とは何か。それは肺にがんができるという出来事を生じさせた一箇所のことである。肺がんの原因を特定するとは、肺にがんができるという出来事を、一箇所(タバコ成分とか遺伝子異常とか化学物質とか)のせいにすることである。


 認知症の原因とは何か。それは認知症になるという出来事を生じさせた一箇所のことであり、認知症の原因を特定するとは、認知症になるという出来事を、一箇所のせいにすることである。


 俺たちは事故や病気に出くわすとその原因の特定がまたれると言う。そうして事のはじめに、事故や病気といった出来事を一箇所にせいにできると決めつける。


 しかし、事故や肺がんや認知症といった出来事を一箇所のせいにすることはできないのではないだろうか。一箇所だけのせいできないがために、原因丸々ひとつを突きとめようとしても、ここまで見てきたように、原因の一部分がつねに特定できないままとり残されることになるのではないでしょうか。


 みなさんはどう考えます?

つづく


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