(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

医学は「みんな違ってみんなイイ」と言って「多様性」を口先では肯定しているが、やっていることは実はそれとは正反対ということはないか(3/7)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.61


 そもそも医学が、やれ健康だ、やれ病気だとさかんに言うことによって争点にしてきたのは、「苦しくないか、苦しいか」ではありませんでした。つまり、治る、を医学は「苦しまないで居てられるようになること」とは見てきませんでした。


 医学が、やれ健康だ、やれ病気だとさかんに言うことによって争点にしてきたのは、「正常か、異常か」でした。実に医学は、健康を正常であること、病気を異常であることと勝手に定義づけてやってきました。医学は、病気だったのが健康になる、すなわち治るということを、勝手に、異常だったのが正常になること、と考えてやってきたわけです。

 

 


 医学が実際におのれの使命としてきたのは、異常なひとを無くすことだったわけですよ。ひとが「苦しまないで居てられるようになる」のを手助けすること、ではなくて、ね?


 そしてその「異常なひとを無くす」という使命を果たすために医学はこれまで、つぎの4つの手をとってきました。

  1. 異常なひとを正常にする(医学が言うところの治療)。
  2. 異常にならないようにする(医学が言うところの予防)。
  3. 異常なひとが生まれてこないようにする(優生保護)。
  4. 異常なひとたちを殺す(特に、医学がもっとも発達した時期であると言われる1930年代に、当時の医学界の先頭を走っていたドイツ医学が、特段ナチスに強いられたのでもないのにやったのが有名)。

 

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最近、こんな記事が出ましたね(2023年11月23日にこの記事紹介を追加しました)。


また、番号4の参考図書としてはこれ等が。

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 さて、いま最初に、医学がおのれの使命とするところを確認しました。それは、みなさんが医学に使命とするよう求めるところ(ひとが「苦しまないで居てられるようになる」のを手助けすること)とは異なっていましたね。「異常なひとを無くす」こと、でしたね。だけど、以前に確認しましたとおり、異常なひとはこの世にただのひとりたりとも存在し得ません。言うなればひとはみな正常です(以前に数回やった、そのことの証明は、ここでは省かせてもらいます)。

 

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その証明はこちらでしました。

①簡単な仕方での証明

②すこし込み入った仕方での証明

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 となると、どうなるか。


「異常なひとを無くす」ことをおのれの使命とする医学は、一部のひとたちを不当にも異常と決めつけ無くそうとしてきたということになりますね。そのひとたちも、ほんとうなら他のみんなとおなじく正常と判定されてしかるべきであるにもかかわらず、ね?


 では、そのように不当にも異常と決めつけられ、無くそうとされてきたのは誰だったか。






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*今回の最初の記事(1/7)はこちら。


*前回の短編(短編NO.60)はこちら。


*このシリーズ(全61短編)の記事一覧はこちら。