(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

科学には全然理解できない快いとか苦しいとかいうことの意味を簡単に確認してみよう(5/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.9】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.55 ◆その問いには、どう解いているかの他に、どれだけ解けているかという程度問題がある さあ、このように、みなさんが生きているあいだどの瞬間でもつねに身をもって解いている問いを言い換えると、いまま…

科学には全然理解できない快いとか苦しいとかいうことの意味を簡単に確認してみよう(4/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.9】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.55 ◆今という一瞬を、目的に向かっている瞬間と見る ところで、さっき最初にみなさんにこう質問しましたよね。いまこの瞬間のみなさんの状態を俺に教えてくれませんか、って。すると、みなさんは「〜してい…

科学には全然理解できない快いとか苦しいとかいうことの意味を簡単に確認してみよう(3/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.9】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.55 ◆今という一瞬を、出来事の最中と見る さて、こうみなさんに質問してみることからはじめましょう。 いまこの瞬間のみなさんの状態を俺に教えてくれませんか、って。 すると、その問いにみなさんは、こん…

科学には全然理解できない快いとか苦しいとかいうことの意味を簡単に確認してみよう(2/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.9】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.55 ◆快さ・苦しさとは「今どうしようとするか、ハッキリしている度合い」のことである 最初にいきなり結論を口にすることにしましょうか。で、そのあと、その結論を念頭に、一からその結論に向かって、ひと…

科学には全然理解できない快いとか苦しいとかいうことの意味を簡単に確認してみよう(1/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.9】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.55 目次・最後に、快いとは何か、苦しいとは何か・快さ・苦しさとは「今どうしようとするか、ハッキリしている度合い」のことである・今という一瞬を、出来事の最中と見る・今という一瞬を、目的に向かって…

科学がやっているように身体を機械と見なすと、こんなふうに快さや苦しさの意味がまったくわからなくなって、もう頭が爆発しちゃいそうだ(4/4)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.54 ◆快さと苦しさがやっぱりここでもうっちゃられる みなさんはふだん、やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことで、「苦しくないか(快い)、苦しいか」を争点にするということでした。でも、この説をと…

科学がやっているように身体を機械と見なすと、こんなふうに快さや苦しさの意味がまったくわからなくなって、もう頭が爆発しちゃいそうだ(3/4)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.54 ◆性被害者を「なのになぜ逃げなかった!」と叱りつける極悪非道理論 みなさん、もし可能であれば、申し訳ないですけど、暴力を振るわれそうになっているものと仮定してみてくれませんか。 みなさんは恐怖…

科学がやっているように身体を機械と見なすと、こんなふうに快さや苦しさの意味がまったくわからなくなって、もう頭が爆発しちゃいそうだ(2/4)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.54 では、本題に入ります。いまから確認する、快さと苦しさについての前掲2の説では、科学は、感情(腹が立つとか哀しいとか楽しいとか可笑しいとか)を持ち出してきて、それを情動という名で呼び換え、行動…

科学がやっているように身体を機械と見なすと、こんなふうに快さや苦しさの意味がまったくわからなくなって、もう頭が爆発しちゃいそうだ(1/4)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.8】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.54 目次・快を「好物への接近行動前のウォーミングアップ」のサインとし、不快を「敵からの逃避行動前のウォーミングアップ」のサインとする説・性被害者を「なのになぜ逃げなかった!」と叱りつける極悪非…

身体を機械と考えると、やれ健康だ、やれ病気だと言っているときに、争点にするところが、みなさんのように「苦しくないか、苦しいか」ではなく、「正常か、異常か」になってしまう科学の実例2つ(5/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.53 こうして、いま見ている説では、快さや苦しさという感覚は、うっちゃられ、その代わりに、「身体機械」が正常であるか、異常であるかを争点にしていくことになります。 先に指摘しておきましたように、こ…

身体を機械と考えると、やれ健康だ、やれ病気だと言っているときに、争点にするところが、みなさんのように「苦しくないか、苦しいか」ではなく、「正常か、異常か」になってしまう科学の実例2つ(4/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.53 ◆健康や病気を「身体機械」のありようだけを見て決めることになる あるとき、ふと、指先に痛みを感じたと想像してみてくれますか。で、指先に目をやると、紙で切れたらしい傷があることに気づいたとしま…

身体を機械と考えると、やれ健康だ、やれ病気だと言っているときに、争点にするところが、みなさんのように「苦しくないか、苦しいか」ではなく、「正常か、異常か」になってしまう科学の実例2つ(3/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.53 快さや苦しさという「身体の感覚」は、俺の心のなかにある像である(②より)。前者の快さは、心の外に実在している「身体機械」が正常であるという情報をもとに、俺の脳が作り出したものである(③より)…

身体を機械と考えると、やれ健康だ、やれ病気だと言っているときに、争点にするところが、みなさんのように「苦しくないか、苦しいか」ではなく、「正常か、異常か」になってしまう科学の実例2つ(2/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.53 ◆快さ(苦しさ)を、「身体機械」が正常(異常)であることを知らせる、心のなかのサインとする説 機械ではない身体を機械と見なす科学には、快さや苦しさを説明する仕方が、俺には、つぎの2種類あるよう…

身体を機械と考えると、やれ健康だ、やれ病気だと言っているときに、争点にするところが、みなさんのように「苦しくないか、苦しいか」ではなく、「正常か、異常か」になってしまう科学の実例2つ(1/5)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.7】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.53 目次・やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことによって、みなさんが争点にするのは、「苦しくないか、苦しいか」である・快さ(苦しさ)を、「身体機械」が正常(異常)であることを知らせる、心のな…

機械なんかでは決してないことが明らかな身体を科学が機械と決めつける、嗚呼、あの不幸な瞬間(6/6)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.52 ◆身体全体を考える したがって、左手が「左手機械」であることになったように、身体全体が、「どの位置を占めているか」ということと、「どんな力をもっているか」ということしか問題にならない、この世…

機械なんかでは決してないことが明らかな身体を科学が機械と決めつける、嗚呼、あの不幸な瞬間(5/6)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.52 では、この、「左手の感覚」がそこから除外された、単なる元素の寄せ集めにすぎないことになった左手を左手機械と名づけることにしましょうか。 で、いま確認したところを、箇条書きにしてまとめてみると…

機械なんかでは決してないことが明らかな身体を科学が機械と決めつける、嗚呼、あの不幸な瞬間(4/6)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.52 ◆左手を例に考察する 先ほど身体全体について言ったことが、俺の左手にも当てはまります。左手とは、ほぼおなじ場所を占めている、「左手の物」と「左手の感覚」とを合わせたもののことですね。 さて、俺…

機械なんかでは決してないことが明らかな身体を科学が機械と決めつける、嗚呼、あの不幸な瞬間(3/6)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.52 ◆科学が、機械ではない身体を機械と見なす瞬間 ずっとまえのところで、身体がほんとうは機械ではないことを確認しておきました。はじめにもう一度そのことを確認します。 ----- 身体がほんとうは機械では…

機械なんかでは決してないことが明らかな身体を科学が機械と決めつける、嗚呼、あの不幸な瞬間(2/6)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.52 ◆存在の客観化(作業2) ついで、科学は「存在の客観化」と俺が名づけた存在改悪作業をつづけざまに為し、存在(物、音、匂い、味、身体等)を、一瞬一瞬答えるものから、答えることのないものにすり替え…

機械なんかでは決してないことが明らかな身体を科学が機械と決めつける、嗚呼、あの不幸な瞬間(1/6)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.52 目次・科学が事のはじめに為すふたつの存在改悪作業・絵の存在否定(作業1)・存在の客観化(作業2)・科学が、機械ではない身体を機械と見なす瞬間・左手を例に考察する・身体全体を考える ◆科学が事の…

科学は、外界に実在しているのは、見ることも聞くことも嗅ぐことも味わうことも一切叶わない「のっぺらぼう」であると言うが、それは果してどんなものか(6/6) 【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.51 ここまで、電柱を例に、「絵の存在否定」「存在の客観化」という、科学が事のはじめに為すふたつの存在改悪作業を見てきました。それら作業の結果、電柱は、「どの位置を占めているか」ということと、「…

科学は、外界に実在しているのは、見ることも聞くことも嗅ぐことも味わうことも一切叶わない「のっぺらぼう」であると言うが、それは果してどんなものか(5/6) 【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.51 ◆原子に色はついているか 以上、「存在の客観化」という存在改悪作業の結果、電柱は、「どの位置を占めているか」ということと、「どんな力をもっているか」ということしか問題にならない、この世の最小…

科学は、外界に実在しているのは、見ることも聞くことも嗅ぐことも味わうことも一切叶わない「のっぺらぼう」であると言うが、それは果してどんなものか(4/6) 【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.51 ◆外界に実在しているのは元素だけという科学の基本アイデア でも、「どの位置を占めているか」ということと、「どんな力をもっているか」ということしか問題にならないものとは具体的には一体何なのでし…

科学は、外界に実在しているのは、見ることも聞くことも嗅ぐことも味わうことも一切叶わない「のっぺらぼう」であると言うが、それは果してどんなものか(3/6) 【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.51 ◆関係は自律的なものである そうですね、先ほど確認しましたね。電柱は一瞬一瞬答えることによって、他のものたちと関係しているということでしたね。「他のものたちと共に在るにあたってどのようにある…

科学は、外界に実在しているのは、見ることも聞くことも嗅ぐことも味わうことも一切叶わない「のっぺらぼう」であると言うが、それは果してどんなものか(2/6) 【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.51 ◆科学は関係をも別ものにすり替える しかしそのように電柱が、「どの位置を占めているか」ということしか問題にならない何かだとしたら、どうなります? 電柱は、他のものたちと一切関係していない、とい…

科学は、外界に実在しているのは、見ることも聞くことも嗅ぐことも味わうことも一切叶わない「のっぺらぼう」であると言うが、それは果してどんなものか(1/6) 【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.5】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.51 目次・科学は関係をも別ものにすり替える・外界に実在しているのは元素だけという科学の基本アイデア・関係は自律的なものである・原子に色はついているか 機械ではない身体を、なぜ医学が機械と見なすの…

みなさんは当たり前のように知っているが、科学は全然知らない「存在は客観的ではない」という事実(10/10)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.50 以上、今回見たことを最後にまとめます。 科学は事のはじめに「絵の存在否定」「存在の客観化」というふたつの作業を為し、存在を改悪すると最初に言いました。いまそのふたつの作業のうちの残りひとつで…

みなさんは当たり前のように知っているが、科学は全然知らない「存在は客観的ではない」という事実(9/10)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.50 言葉でうまく表現するのは難しいですけど、そのひとつとしてまず、「容姿の違い」とでも言えるものが挙げられるのではないでしょうか。いっぽうの姿は「頭デッカチ」ですが、もういっぽうは「横から爪楊…

みなさんは当たり前のように知っているが、科学は全然知らない「存在は客観的ではない」という事実(8/10)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.50 ◆存在の本質は「どこに位置を占めているか」に 電柱は実際、一瞬一瞬答えるものです、「他のものたちと共に在るにあたってどのようにあるか」という問いに。先ほど、俺が近寄っていくと、電柱がその姿を…

みなさんは当たり前のように知っているが、科学は全然知らない「存在は客観的ではない」という事実(7/10)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.4】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.50 ◆「存在の客観化」とは存在のすり替え作業 補足で音について触れたばっかりに、ちょっと話がややこしくなってしまったかもしれません。ともあれ、存在というのは、それが音であれ、みなさんの身体であれ…