*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.46
目次
・胸に兆す「そんなうまい話はあるのだろうか」という疑念
・で、実際、そんなうまい話はあったのか
・One man's meat is another man's poison.という絶対真理
統合失調症と診断されたひとたちに使用される薬の副作用について考察していますよね。
薬のそうした副作用はしばしば「たいしたことがある」のに、(精神)医学がそれらを勝手に「たいしたことがない」ものと決めつけ、侮ってきたと言えそうであることを確認したあと、前回、医学がどのような仕方で副作用を侮るか見ました。
今回は、それとは別の侮り方をとり挙げます。
それも医学がよくするものですよ。昨年も大々的にやりました、世界的に、ね?
ところで、この考察では、岡田尊司精神科医の著書『統合失調症』(PHP新書、2010年)から、統合失調症の薬とされるクロルプロマジンやハロペリドールについての記述を引用しています。その本のなかには、そのふたつの薬のあとに世に出たとされるクロザピンという薬についても書かれています。
今回はそこに目をやりますね。
そして、たいした副作用なんか出てきっこないと早々に勝手に決めつけ、新薬をいきなり「夢の薬」と謳い上げるという、何度も繰り替えされてきた副作用の侮り方を、目の当たりにしますよ。
*前回の短編(短編NO.45)はこちら。
*このシリーズ(全64短編を予定)の記事一覧はこちら。