*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.5
先日、双極性障害とか発達障害とかと言うときの「障害」という言葉の意味を確認したの、ちょっと思い出してみてくれますか。そうですね。その「障害」という言葉は、「異常」という差別用語の単なる言い換えにすぎないということでしたね。
つまり、ひとを「発達障害」と診断するというのは、そのひとを「発達異常」と判定するということであるとのことでしたね。
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参考:そのことを下記のところで確認しました。
(注)後日、もっと簡単に確認する回はこちら
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だとすると、そのように「発達異常」と判定されるのは、いったい誰なのか。それは、発達が「標準より劣っている」と医学に思われるひとたち(先の3番を思い起こしてくださいよ)です。そのことをいまから、広汎性発達障害(自閉症やアスペルガー症候群等)についての啓蒙記事をもちいて確かめてみましょう。
広汎性発達障害と診断される基準とは、一体どのようなものなのでしょうか。現在、自閉症その他の診断では、イギリスの精神科医ウイングが提唱した次の3つの特性について当てはまるかどうかを見ていきます。
- ①対人的相互反応、すなわち社会性の障害(相手の気持ちがわからない、など)
- ②コミュニケーションの障害(気持ちをうまく伝えられない、など)
- ③想像力の障害とそれに基づく行動の障害(こだわりが強い、など)
※以下引用者より。上記引用文についてのデータは下のとおりです。
題:「発達障害の診断の基準-発達障害の子どもの特徴」
提供:gooヘルスケア
出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」
著者:高貝 就(浜松医科大学、子どものこころの発達研究センター特任准教授)
site:https://health.goo.ne.jp/news/22670
最終閲覧日:2018年12月31日(2019年12月16日現在、このページは無くなっています)
ゴシック化:引用者によります。
「相手の気持ちがわからない」。「気持ちをうまく伝えられない」。「こだわりが強い」。そんなふうに社会性や、コミュニケーション能力や、想像力が「標準より劣っている」と医学に思われるひとたちが、「発達異常」と判定されるということでしたね?
でも、最初におさらいしておきましたように、異常なひとはこの世にただのひとりも存在し得ません。言うなれば、ひとはみな正常です。「相手の気持ちがわからない」のも、「気持ちをうまく伝えられない」のも、「こだわりが強い」のも、実はみな正常です。
そのように「相手の気持ちがわからな」かったり、「気持ちをうまく伝えられな」かったり、「こだわりが強」かったりするというのが、「標準的なひとより劣っている」ということを仮に意味するのだとしても、「標準的なひとより劣っている」ありようもまた正常であることに変わりはありません(キレイ事を言っているのではありませんよ。ただ事実を言っているだけですよ)。
いま、広汎性発達障害の診断で、「標準より劣っている」と医学に思われるひとたちが、不当にも異常と決めつけられ、差別されているのが確認できましたね?
*前回の短編(短編NO.4)はこちら。
*このシリーズ(全64短編を予定)の記事一覧はこちら。