(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

「発達障害」を例に、誰が医学に差別されるのか確認する(2/4)

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.5


 先日、双極性障害とか発達障害とかと言うときの「障害」という言葉の意味を確認したの、ちょっと思い出してみてくれますか。そうですね。その「障害」という言葉は、「異常という差別用語の単なる言い換えにすぎないということでしたね。


 つまり、ひとを「発達障害」と診断するというのは、そのひとを「発達異常」と判定するということであるとのことでしたね。

 

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参考:そのことを下記のところで確認しました。


(注)後日、もっと簡単に確認する回はこちら

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 だとすると、そのように「発達異常」と判定されるのは、いったい誰なのか。それは、発達が「標準より劣っていると医学に思われるひとたち(先の3番を思い起こしてくださいよ)です。そのことをいまから、広汎性発達障害自閉症アスペルガー症候群等)についての啓蒙記事をもちいて確かめてみましょう。

広汎性発達障害と診断される基準とは、一体どのようなものなのでしょうか。現在、自閉症その他の診断では、イギリスの精神科医ウイングが提唱した次の3つの特性について当てはまるかどうかを見ていきます。

  • ①対人的相互反応、すなわち社会性の障害(相手の気持ちがわからない、など)
  • ②コミュニケーションの障害(気持ちをうまく伝えられない、など)
  • ③想像力の障害とそれに基づく行動の障害(こだわりが強い、など)


※以下引用者より。

上記引用文についてのデータは下のとおりです。
:「発達障害の診断の基準-発達障害の子どもの特徴」
提供gooヘルスケア
出典:株式会社法研「子どもの発達障害 家族応援ブック」
著者:高貝 就(浜松医科大学、子どものこころの発達研究センター特任准教授)
sitehttps://health.goo.ne.jp/news/22670
最終閲覧日:2018年12月31日(2019年12月16日現在、このページは無くなっています)
ゴシック化:引用者によります。

子どもの発達障害 家族応援ブック

子どもの発達障害 家族応援ブック

 


「相手の気持ちがわからない」。「気持ちをうまく伝えられない」。「こだわりが強い」。そんなふうに社会性やコミュニケーション能力や想像力が標準より劣っていると医学に思われるひとたち、「発達異常」と判定されるということでしたね?


 でも、最初におさらいしておきましたように、異常なひとはこの世にただのひとりも存在し得ません。言うなれば、ひとはみな正常です。「相手の気持ちがわからない」のも、「気持ちをうまく伝えられない」のも、「こだわりが強い」のも、実はみな正常です。


 そのように「相手の気持ちがわからな」かったり、「気持ちをうまく伝えられな」かったり、「こだわりが強」かったりするというのが、「標準的なひとより劣っている」ということを仮に意味するのだとしても、「標準的なひとより劣っているありようもまた正常であることに変わりはありません(キレイ事を言っているのではありませんよ。ただ事実を言っているだけですよ)。


 いま、広汎性発達障害の診断で、「標準より劣っていると医学に思われるひとたちが不当にも異常と決めつけられ差別されているのが確認できましたね?





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*前回の短編(短編NO.4)はこちら。


*このシリーズ(全64短編を予定)の記事一覧はこちら。