(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

統合失調症の「話が途切れ途切れになる」「頭が飛ぶ」「ピコーンときてバリバリする」を理解する(統合失調症理解#15)(5/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.30


◆障害という言葉を使って「理解不可能」と表現する

 さて、そんな(精神)医学は先の引用文のなかで、音大生さんのことを「理解不可能と表現するのに、「思考障害という言葉を使っていました


 どういうことか。


 その引用文中には、応答が途切れ途切れになる音大生さんのことを(精神)医学は「思考障害」と診断すると書いてありましたよね。そしてその「思考障害」なるものについてこう説明していましたね。

 考えを纏める力が落ちている状態を思考障害と呼ぶ。思考障害があると考えがうまく進んでいかずとぎれとぎれにしか話せなかったり、論理的な道筋に従って話すということが難しい。聞いている者は、とても理解しにくく感じる(岡田尊司統合失調症PHP新書、2010年、p.102、ただしゴシック化は引用者による)。

統合失調症 その新たなる真実 (PHP新書)

統合失調症 その新たなる真実 (PHP新書)

  • 作者:岡田 尊司
  • 発売日: 2010/10/15
  • メディア: 新書
 


 つまり、音大生さんには「思考障害があって、「考えがうまく進んでいかないために返答が途切れ途切れになっていると(精神)医学は診ていた、とのことでしたね。


 そのように「思考障害」と言うときの「障害」という言葉は、「異常」という表現の単なる言い換えにすぎないと以前に確認したの、みなさん、覚えてくれていますか。音大生さんを「思考障害」と診断するというのは、音大生さんの思考を異常と診断するということを意味しますよ。


(参考:「障害=異常」はつぎの記事で確認しました。後日、もっとわかりやすい記事を書くつもりです。)


 では、そのように、音大生さんの思考を異常と診断するというのはどういうことか


 これもまた以前に確認したことですけど、ひとを正常と判定するというのは、そのひとのことを「理解可能」と認定するということであるいっぽう、ひとを異常と判定するというのは、そのひとのことを「理解不可能」と認定するということであるとのことでしたよね。

  1. ひとを正常と判定する=そのひとのことを「理解可能」と認定する
  2. ひとを異常と判定する=そのひとのことを「理解不可能」と認定する


(参考:「異常=理解不可能」を確認したのは下の記事です。後日もっとわかりやすい記事を書く予定です。)


 したがって、音大生さんの思考を「異常」と診断するというのは、音大生さんの思考を理解不可能と認定するということになりますね?


 要するに、いま言ったことをまとめて言うと、こうなります。音大生さんを「思考障害と診断するというのは、音大生さんの思考を「異常」と診断するということ、ひいてはその思考を理解不可能と認定するということである、って。


 先ほどの引用文のなかで、(精神)医学が音大生さんのことを、「思考障害」という言葉をもちいて「理解不可能」と表現していたことがいま確認できましたね。


ひとつまえの記事(4/8)はこちら。


前回の短編(短編NO.29)はこちら。


このシリーズ(全48短編を予定)の記事一覧はこちら。