*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.4
目次
・障害という言葉の表記を改めるべきか?
・障害という言葉は、異常という差別用語の単なる言い換えにすぎない
・「発達障害」という言葉を例に確認する
・「脳の障害」という言葉を例に確認する
・問いへの答え
◆障害という言葉の表記を改めるべきか?
いきなりですが、質問させてもらいますね。
医学は、双極性障害とか発達障害といったように、障害という言葉をもちいますよね。果してみなさんは、その障害という表記を、障がいとか障碍に改めるべきだと思いますか。
今回はこの問いへの答えを探っていきますよ。
先日こう確認したばかりですよね。医学はわざわざ、健康を正常であること、病気を異常であることと定義づけてやってきた*1。しかし実は、異常なひとなどこの世にただのひとりも存在し得ない。言うなれば、ひとはみな正常である。医学が異常と判定し、病気と言ってきたひとたちは、ほんとうは正常だった。医学は、そのひとたちを不当にも異常と決めつけ、差別してきたんだ*2、って。
ひとを異常と判定するのは差別ですね? 異常という言葉はれっきとした差別用語ですよね(実際、ひとに異常と言われると、かなりの不快感を覚えません?)?
実のところ、双極性障害とか発達障害とかと言うときのその障害という言葉は、この異常という差別用語の単なる言い換えにすぎません。
まず、そのことをいまからゆっくり、順をおって確認していきますよ。
*「障害、障がい、障碍、いずれの言葉も差別用語である」というこのことを後日、今回試みるものとは別の、もっと簡単な仕方で考察し直します。その回は、こちら。
*前回の短編(短編NO.3)はこちら。
*このシリーズ(全64短編を予定)の記事一覧はこちら。