*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.4
◆障害という言葉は、異常という差別用語の単なる言い換えにすぎない
ひとを異常と言うのは、何をどうすることだったか、みなさん覚えてくれていますか。
そうですね、それは、
- ①そのひとを、「作り手の定めたとおりになっていない」と見、
- ②その「作り手の定めたとおりになっていない」ことを問題視すること
でしたね。
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そのことを確かめた記事はこちら。
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では、その「作り手の定めたとおりになっていない」ということについて考えてみましょうか。
医学は、身体に起こる出来事を一点のせいにしますよね。病院に行って、みなさんが、だるいとか息がしにくいとかと訴えると、医師は検査をし、そうしただるさや息のしにくさをみなさんの身体のなかの一点のせいにしますね? 細菌もしくはウィルスが見つかれば、細菌もしくはウィルス一点のせいにしますし、ガンが見つかれば、ガンのせいにしますよね? ついさっきこう言いましたよ。ひとを異常と言うのは、そのひとを「作り手の定めたとおりになっていない」と見(①)、その「作り手の定めたとおりになっていない」ことを問題視する(②)ことだ、って。医学は、その「作り手の定めたとおりになっていない」というのを(問題視して)、身体のなかの一点のせいにするわけですよ。
すると、どうなるか。
その一点は、ひとが「作り手の定めたとおりになる」のを妨げている、ということになりますね? したがって、そのひとは反対に、「作り手の定めたとおりになるのを・身体のなかの一点によって妨げられている」ということになりますね?
いま確認したことをまとめると、こうですよ。
- 1.ひとを異常と言うのは差別である(異常という言葉は差別用語である)。
- 2.そのように、ひとを異常と言うのは、
(a)そのひとを、「作り手の定めたとおりになっていない」と見、
(b)その「作り手の定めたとおりになっていない」ことを問題視することである。
- 3.医学は、その「作り手の定めたとおりになっていない」というのを(問題視して)、そのひとの身体のなかの一点のせいにする。すると、
(c)その一点は、ひとが「作り手の定めたとおりになる」のを妨げていることになる。
(d)そのひとは反対に、「作り手の定めたとおりになるのを・身体のなかの一点によって妨げられている」ことになる。
ここから、最後にひとつだけ進みますね。
2020年3月21日に文章を一部修正しました。
*今回のものより、もっと簡単な仕方で、「障害、障がい、障碍、いずれの言葉も差別用語である」ということを後日確認する回は、こちら。
*前回の短編(短編NO.3)はこちら。
*このシリーズ(全46短編を予定)の記事一覧はこちら。