(新)Nothing happens to me.

科学には、人間を理解することを妨げる理論的欠陥がある

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

血管性認知症②:感覚性失語(相手の言葉を理解できない)は何を意味するか(5/5)

*認知症の人間の言動は理解不可能か・第15回 (4/5に戻る←) 特徴(c)は「意味不明な言葉を話していることに気付いていないことがある」である。それは、ひとつのことを話し終えるまでそのことに集中していられず、つい別のことに途中で気が向いてしまい、そ…

血管性認知症②:感覚性失語(相手の言葉を理解できない)は何を意味するか(4/5)

*認知症の人間の言動は理解不可能か・第15回 (3/5に戻る←) 先に見た①「運動性失語(言葉が自由に出てこない)」とおなじで、話すことに対する意欲や興味は十分にあるように見受けられる。そうでなければ、「多弁」になったりはしないだろう(先の説明1に…

血管性認知症②:感覚性失語(相手の言葉を理解できない)は何を意味するか(3/5)

*認知症の人間の言動は理解不可能か・第15回 (2/5に戻る←) たとえば、みなさんは論点Aについて話し終えてから、次の論点であるBに言及するつもりで話していた。すると、論点Aについての言及がもうすぐ終わりそうなところで、気がはやったのか、ふとみ…

血管性認知症②:感覚性失語(相手の言葉を理解できない)は何を意味するか(2/5)

*認知症の人間の言動は理解不可能か・第15回 (1/5に戻る←) 説明2 ウェルニッケ(感覚性)失語:ウェルニッケ野が損傷を受けると、話された言語と書かれた言語の理解が困難になります。この失語がある人は通常はよどみなく自然なリズムで話しますが、その…

血管性認知症②:感覚性失語(相手の言葉を理解できない)は何を意味するか(1/5)

*認知症の人間の言動は理解不可能か・第15回 (前回←) ◆感覚性失語(相手の言葉を理解できない) 現在、血管性認知症について検証している。 長谷川和夫著『よくわかる認知症の教科書』(朝日新書、2013年)には、血管性認知症で認められる認知機能の低下…

血管性認知症①:運動性失語(言葉が自由に出てこない)の意味は何か(5/5)

*認知症の人間の言動は理解不可能か・第14回 (4/5に戻る←) さて運動性失語は、コレコレこうしたことを表現するときにはコレコレこういった声音(言葉)を使っていくという意思の衰弱・喪失現象ではないかと推測したけれども、その意思の衰弱・喪失現象が…

血管性認知症①:運動性失語(言葉が自由に出てこない)の意味は何か(4/5)

*認知症の人間の言動は理解不可能か・第14回 (3/5に戻る←) 子供の母国語スピーキング能力習得や成人の外国語スピーキング能力習得時の初期段階で起こっているのは何か。 それは、言ってみれば、コレコレこうしたことを表現したいときにはコレコレこうした…

血管性認知症①:運動性失語(言葉が自由に出てこない)の意味は何か(3/5)

*認知症の人間の言動は理解不可能か・第14回 (2/5に戻る←) ◆運動性失語(言葉が自由に出てこない) では最初に、運動性失語の説明をもう少し詳しく聞いてみよう。 説明1 ブローカ(運動性)失語:ブローカ野が損傷を受けると、たいていの場合、言葉の意…

血管性認知症①:運動性失語(言葉が自由に出てこない)の意味は何か(2/5)

*認知症の人間の言動は理解不可能か・第14回 (1/5に戻る←) ◆アルツハイマー型認知症は、意欲や興味の減退に伴う意思の衰弱・喪失現象だったが その前に、アルツハイマー型認知症についての考察で確認したことをひとつ復習したい。アルツハイマー型認知症…

血管性認知症①:運動性失語(言葉が自由に出てこない)の意味は何か(1/5)

*認知症の人間の言動は理解不可能か・第14回 (前回←) 今回から血管性認知症の検証をはじめる。 認知症に分類される主な四つ、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、ピック病、を順にひとつずつとり挙げ、見ていくことにした。前回アルツ…