(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

統合失調症の「監視されている」「数字が合図を送ってくる」「盗聴されている」を理解する(統合失調症理解#4)(3/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.11


◆監視されている(ⅱ)

 先ほどのつづきからいきますよ。男性は会社の外にいても、上司に後をつけられ、一挙手一投足を「なにやってんだ」「バカそうじゃねえよ」と容赦のない目で点検されているのではないかとビクビクするようになった。


 ところが、その反面、男性には自信があった。会社の外にいる自分が上司のことを気にしているはずはないといった自信が。


 で、その自信に合うよう、男性は現実をこう解した


 電車に乗ったり、通りを歩いたりしていても、上司がずっとついてきて、「なにやってんだ」「バカそうじゃねえよ」といった声を送ってくる。まるで監視されているみたいだ、って。


 これが俺の想像する、幻聴に当たる場合、ですよ。こういうことでしたね。


 男性は会社の外にいても、上司に後をつけられ、一挙手一投足を、「なにやってんだ」「バカそうじゃねえよ」と容赦のない目で点検されているのではないかとビクビクするようになった(現実)。ところが、その反面、男性には「自信」があった。会社の外にいる自分が上司のことを気にしているはずはないといった自信が。そのように「現実自信とが背反するに至ったとき、ひとにとることのできる手は、つぎのふたつのうちにいずれかであるように、俺には思われます。

  • A.現実に合うよう、自信のほうを修正する。
  • B.自信に合うよう現実のほうを修正する


 で、男性はこの場面で、後者Bの「自信に合うよう、現実のほうを修正する」手をとった。つまり、会社の外にいる自分が上司のことを気にしているはずはないといったその自信に合うよう、現実をこう解した。


 会社の外にいても、上司がずっとついてきて、「なにやってんだ」「バカそうじゃねえよ」といった声を送ってくる。まるで監視されているみたいだ、って。


 以上の推測を箇条書きにしてまとめるとこうなります。

  • ①会社の外にいても、上司に後をつけられ、一挙手一投足を、「なにやってんだ」「バカそうじゃねえよ」と容赦のない目で点検されているのではないかとビクビクしている(現実)。
  • ②会社の外にいる自分が上司のことを気にしているはずはないといった自信がある(現実と背反している自信)。
  • ③その自信に合うよう、現実をこう解する。「会社の外にいても、上司がずっとついてきて、『なにやってんだ』『バカそうじゃねえよ』といった声を送ってくる。まるで監視されているみたいだ」(現実修正解釈


 さあ、いま、見る予定にしていた3つの体験のうち、まずア(監視されている)を見終わりました。幻聴に当たらない場合と、当たる場合とをひとつずつ想定しましたね。この要領でつづきを見ていきますよ。


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