(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

統合失調症の「頭の中に機械が埋め込まれている」を理解する(統合失調症理解#2)(5/5)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.9


◆結論

 さあ、男子大学生さんが「隣から悪口が聞こえてくる」「頭の中に機械が埋め込まれている」と訴え、隣家に怒鳴り込んだり、頭の中の機械をとり除いてもらうべく脳外科を受診したりするというのがどういうことか、ここまで見てきました。


 果して俺は、その男子大学生さんのことをいま理解し得たと言えるでしょうか。いや、正直な話、男子大学生さんのことをいま完璧に理解し得たと胸を張れるとは、俺自身、まったく思ってはいませんよ。むしろ、男子大学生さんのことを多々誤ったふうに決めつけてしまったのではないかと気が咎めて肩を落としているところです。


 でも、こういった手応えは感じます。


 統合失調症と診断され、「理解不可能」と決めつけられてきたその男子大学生さんが実は理解可能だったということは、いまの考察からでも十分に明らかになったはずだ、って。


 みなさんのように申し分のない人間理解力をもったひとたちになら、その男子大学生さんのことが、完璧に理解できるにちがいないということを示すくらいのことは、いまの考察でも十分にできたはずだ、って。


 今回は、「隣から悪口が聞こえてくる」「頭の中に機械を埋め込まれている」と訴える、統合失調症と診断された、ひとりの男子大学生さんに登場してもらい、その男子大学生さんが精神医学の見立てに反しほんとうは理解可能であるということを実地に確認しました


次回は3月2日(月)21:00頃にお目にかかります。


2020年2月20日に文章を大幅に削除したうえで、文章を一部修正しました。同年同月26日に目次項目を修正しました。


ひとつまえの記事(4/5)はこちら。


今回の最初の記事(1/5)はこちら。


前回の短編(短編NO.8)はこちら。


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