(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

質問「この治療を受けると、寿命が2倍に伸びます。受けますね?」と言われたら、みなさんはどう反応するか?(3/8)


◆準備運動②「みなさんは何を健康、病気という言葉で表現しようとするか?」

 健康、病気という言葉をみなさんがふだんどういうふうに使っているか、確認します。


 みなさんがふだん、やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことで、争点にしているのは何か。


 要するに、みなさんが神社仏閣で手を合わせ、「どうか健康でいられますように」とか「病気が治りますように」などと熱く祈るとき、要望しているのは何か、考えます。


 まず、健康とはどう書きます? そう、「健やかに康らかに」と書きますね。それは「苦しんでいない(快い)」ということを意味しているのではありませんか。


 いっぽう病気とは「気を病む」と書きますね。「気を病む」とは「苦しむ」ということですね? 詳しく言えば、病気という言葉は、ふだんのみなさんにとって、「苦しんでいる」ということと、その苦しみが「手に負えない」ということを意味するものではありませんか。


 ふだん、みなさんがやれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことで争点にしているのは、「苦しくないか(快いか)、苦しいか」ではないか、ということですよ。


 で、もしそうだとすれば、みなさんにとって、治る(病気だったのが健康になる)とは、「苦しまないで居てられるようになること」、になりますね。


 おかしなことを言ってます? けど実際、いま言ったとおりではありませんか? みなさん、「健康のありがたさ」とか「健康のありがたみ」といった言葉を口にしますよね。「最近、健康のありがたさ(ありがたさ)をヒシヒシと感じるよ」なんてふうに?


 それは翻訳すると、「苦しまないで居られている」ことのありがたみ(ありがたさ)をヒシヒシと感じている、ではありませんか。


 さて、下準備がふたつ済みました。遅ればせながら本題に入ります。






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