(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

統合失調症の「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」を理解する(統合失調症理解#3)(10/10)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.10


◆(精神)医学は統合失調症である

 でも(精神)医学には、Aさんのようなひとたちのことがまったく理解できてきませんでした。みなさんと違って、(精神)医学にはAさんたちのことを理解するだけの力がなかったわけです。ところが(精神)医学には、十分な人間理解力はないものの、こういう自信だけはありました。(精神医学の人間理解力は完璧であるはずだといった自信だけは。で、その自信に合うよう、(精神)医学は現実をこう修正解釈してきました。


 Aさんたちのことが(精神)医学に理解できないのは、Aさんたちが「理解不可能」だからだ、って。Aさんたちは「永久に解くことのできぬ謎」なんだ、「了解不能」なんだ、って。


 いま言ったことを最後に、箇条書きでまとめてみますね。

  • ①(精神)医学には、Aさんたちのことを理解するだけの力がない(現実)。
  • ②(精神)医学には、「(精神)医学の人間理解力は完璧であるはずだ」といった自信がある(現実と背反している自信)。
  • ③その自信に合うよう、(精神)医学は現実をこう解する。「Aさんたちのことが(精神)医学に理解できないのは、Aさんたちが理解不可能だからだ」(現実修正解釈


 今回は、「わたしはエスパーだ」「頭のなかを監視されている」等と訴えるAさんの話を傾聴しました。そして、(精神)医学に統合失調症と診断され、「理解不可能」と決めつけられてきたそのAさんが、(精神)医学のそうした見立てに反しほんとうは理解可能であるということを実地に確認しました

(次回短編はこちら)


2020年3月25日に文章を一部訂正しました。次回は1ヶ月後、4月6日(月)21:00頃にお目にかかります。


ひとつまえの記事(9/10)はこちら。


今回の最初の記事(1/10)はこちら。


前回の短編(短編NO.9)はこちら。


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