*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.53
こうして、いま見ている説では、快さや苦しさという感覚は、うっちゃられ、その代わりに、「身体機械」が正常であるか、異常であるかを争点にしていくことになります。
先に指摘しておきましたように、この世に異常ということは何についてもあり得ないということでしたけど。
科学には、快さと苦しさについての説が大きく言うと、ふたつあるのではないかと指摘し、そのふたつのうちのひとつを今回は見てきました。その説をとると、争点が、「苦しくないか、苦しいか」から「正常か、異常か」にすり替えられることになることが、確認できましたね。
次回は、残りのもうひとつの説をとり挙げます。
*今回の最初の記事(1/5)はこちら。
*前回の短編(短編NO.52)はこちら。
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