(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

副作用を我慢してでも治療を受けるべきとみなさんが判断するのはどんな時か(4/5)【医学は副作用を侮ってきた? part.2】

*短編集『統合失調症と精神医学の差別』の短編NO.43


◆B.治療を受け、苦しさがマシになる場合

 今度はその反対を考えますね。治療を受け、「苦しさがマシになる」場合(先の選択肢のB)です。


 いまさっきもクドクドと再確認しましたように、みなさんにとって、治るとは、「苦しまないで居てられるようになること」です。


 では、そんなみなさんにとって、治療を受け、「苦しさがマシになったというのは何を意味するか。


 それは、得をした、ということを意味するのではありませんか。


 なら、そう解するみなさんは、こう考え進めるのではないでしょうか。


 その得を打ち消すくらい、その治療を受けることによって「生存期間が短縮するということでもなければ、言うことはない、って。


 翻して言うと、こういうことです。治療を受け、「苦しさがマシ」になるという得をしても、その治療によって「生存期間」があまりにも短縮すれば、そうした得は相殺されてしまうんだ、って。


 以上こういうことでした。


B.治療を受け、「苦しさがマシになる」場合

  1. 「苦しさがマシになる」という得を打ち消してしまうくらい、その治療によって「生存期間」が短縮する→その治療を受けると最終的には損をする
  2. 「苦しさがマシになる」という得を打ち消してしまうほどまでは、その治療によって「生存期間」は短縮しない→その治療を受けると得をする





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*前回の短編(短編NO.42)はこちら。


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