目次
・70歳男性(余命6ヶ月)、延命効果6ヶ月の抗がん剤治療を勧められる
・準備運動①「給付期間を2倍に伸ばすことができます。どうしますか?」
・準備運動②「みなさんは何を健康、病気という言葉で表現しようとするか?」
・生存期間が2倍になる治療を勧められたとき、みなさんはどう考えるか
・「生存期間を2倍に伸ばしましょうか」という提案を受けたとき考え合わせるものは何か
・獲得するもののニガさ(胃瘻などで問題になること)
・引き換えにするものの大きさ(健康のありがたみを知っているものにはわかる)
・する損と、獲得する得を比較する
◆70歳男性(余命6ヶ月)、延命効果6ヶ月の抗がん剤治療を勧められる
俺の手元にひとつの記事があります。その記事は、余命6ヶ月と宣告された*1老人が、延命効果6ヶ月と見込まれる抗がん剤治療を薦められたと言います。しかしその老人は、その治療に意味はあるのかと首をひねりました。記事は、老人のその感じ考え方を批判するものです。
今回は、老人のその感じ考え方について、趣旨と妥当性とを確認します。
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この記事です。
- 最終アクセス:2022年8月19日19:22
- URL:https://hc.nikkan-gendai.com/articles/252031?utm_source=pocket_mylist
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果して、延命効果のある治療にたいし、そうした疑念を抱くのは、浅慮なことなのでしょうか。そんな思慮の足りない疑いを持たないよう、老人は医師によって厳しく教育されるべきなのでしょうか?
でもそのことを確認するまえに、ふたつ準備運動をしますね。
ひとつはクイズ、もうひとつは言葉の確認です。
本題に入るのがちょっと遅くなるかもしれませんが、お付き合いくださると幸いです。
*医学は副反応を侮ってきたのではないかという疑惑についての考察はこちら。
*1:余命宣告をすること自体にも問題はあるかもしれませんが、それについてはここでは無視させてもらいます。