(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

漢字、絵、あんパンをもちいて「科学」の原点を探る(2/4)

*「科学」を定義する第3回

1/4からのつづき

◇ひとつ目の例:漢字

 早速、いまみなさんの目のまえに、犬という漢字がひとつ書かれた白い紙があると想像してみてくださいよ。その漢字を「大」という部分と「右上の点」のふたつに分けて考えてみますね。以下、俺の文章を読んでいるあいだもみなさんはその犬という字を見ているものと仮定して、読み進めていってくれますか。


 さあ、ようく想像してみてくださいよ。いまみなさんは、犬という漢字を目の当たりにしています。みなさんがそうして見ている「大」と「右上の点」のふたつはいま、ひとつの漢字(犬)に共に参加していると言えますよね。


 いまちょっと変な言い方をしましたけど、別にたいしたことは言ってませんよ。当たりまえのことを拙くもわざわざ言葉にしただけですよ。


 では、ここでつぎのふたつの操作をしてみましょうか。


 まず、その「大」と「右上の点」のふたつが、現に書かれた場所にそれぞれ位置を占めているのを認めてみましょうか。それがひとつ目の操作です。


 つぎに、その「大」と「右上の点」のふたつを、「ひとつの漢字に共に参加している」ことの無いもの同士と考えてみましょうか。これがふたつ目の操作です。

  1. 「大」と「右上の点」とが、現に書かれた場所にそれぞれ位置を占めているのは認める(位置の承認)。
  2. それらふたつを、「ひとつの漢字に共に参加している」ことの無いもの同士であると考える(○○であることの否認→○○には何が入るでしょう。答えはあとで)。


 すると、どうなると思います? みなさん、想像してみてくれますか。


 みなさんの目のまえに「大」と「点」とがそれぞれ在るのは見えるが、犬という漢字が存在しているのは認められなくなる、のではありませんか。「大」と「点」とがただバラバラに在るだけで、犬という漢字は存在していないということになりませんか。


 そして、「ひとつの漢字に共に参加している」ことの無いもの同士であると考えられることになった「大」と「点」とをどう足し合わせても、犬という漢字は出てこないということになりませんか。


 いま、犬という漢字をもちいてみなさんに、あるふたつの操作をしてもらいましたね。すると、「大」と「点」とがただバラバラに在るだけで、犬という漢字は存在していないということになりましたね。


 でも、いったいそのふたつの操作は何を意味するのでしょうね? もう一度、そのふたつの操作についてようく考えてみましょうか。


「大」と「右上の点」とが、現に書かれた場所にそれぞれ位置を占めているのは認める(操作1)。しかし、その「大」と「右上の点」とを、「ひとつの漢字に共に参加している」ことの無いもの同士と考える(操作2)。どうでしょう。これは、「大」と「右上の点」とを犬という漢字の部分であると認めることを拒否することなのではないでしょうか。


 そのように「部分」であると認めることを拒否することによって、犬という漢字(全体が存在しているのを認められなくなること、なのではないでしょうか(先のクイズの答え:○○のなかに入るのは「部分」でした)。


 つぎはそのふたつの操作を、絵にやってみますね。


今回は記事を(1/4)、(2/4)、(3/4)、(4/4)の4つに分けてお送りしています。

  • ひとつまえの記事(1/4)はこちら。


前回(第1回)の記事はこちら。


このシリーズ(全5回)の要旨と記事一覧はこちら。