(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

統合失調症の「思春期に発症し、典型的な経過がみられたケース」を理解するpart.4(統合失調症理解#16)(6/9)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.36


 いまこう推測しましたよ。


 予備校にいると、自分が2浪生であることなどが意識され、「自分みたいなバカ」が「居ていい場所ではない」と引け目を感じる(現実)。だけどそのNさんには、自分が「引け目」を感じているはずはないという「自信」がある。このように「現実自信とが背反するに至ったとき、ひとにとることのできる手は、つぎのふたつのうちのいずれかであるように、ここでも俺には思われます。

  • A.その背反を解消するために、「自信」のほうを、「現実」に合うよう訂正する。
  • B.その背反を解消するために、「現実」のほうを、「自信」に合うよう修正する。


 で、Nさんはその場面でも後者Bの「現実のほうを、自信に合うよう修正する」手をとった。自分が「引け目」を感じているはずはないとするその自信に合うよう、現実をこう解釈した。


 他の予備校生たちが「このバカ」「うぜえ(ここはお前の居場所では無い)」と言ってくるのが、聞こえる、って。


 いまの推測を箇条書きにしてまとめるとこうなります。

  • ①予備校にいると、自分が2浪生であることなどが意識され、「自分みたいなバカ」が「居ていい場所ではない」と引け目を感じる(現実)。
  • ②自分が「引け目」を感じているはずはないという自信がある(現実と背反している自信)。
  • ③その自信に合うよう、現実をこう解釈する。「他の予備校生たちが『このバカ』『うぜえ(ここはお前の居場所では無い)』と言ってくるのが、聞こえる」(現実修正解釈


 もしかすると、自分が引け目を感じていることにNさん自身、気づいていなかっただけなのではないか、ということですよ。


 やっぱり、自分のことをうまく理解できていなかっただけなのではないか、ということです。


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今回の最初の記事(1/9)はこちら。


Nさんのこの事例は全6回でお送りします。

  • part.1(短編NO.33)

  • part.2(短編NO.34)

  • part.3(短編NO.35)

  • part.4(短編NO.36)


   今回

  • part.5(短編NO.37)

  • part.6(短編NO.38)


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