(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

統合失調症の「思春期に発症し、典型的な経過がみられたケース」を理解するpart.4(統合失調症理解#16)(5/9)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.36


◆引け目を感じる(案2)

 あるいは、予備校で他の生徒たちに嫌がらせをされたというこのことは、ひょっとすると、こういうことだったのもしれないと俺は考えないでもありませんよ。


 予備校に行っても、2浪生であることなどが意識され、「自分みたいなバカ居ていい場所ではないと引け目を感じ、居心地が悪かったということだったのかもしれないな、って。


 でも、そこで自分がそんなふうに「引け目」を感じるなんて、Nさんにはまったく思いも寄らないことだった。


 いや、いっそ、そのこともこれまでどおり裏返にして、語弊があるかもしれませんけど、こう言い直してみることにしましょうか。そのときNさんには、自分が引け目を感じているはずはないという自信があったんだ、って。


 で、その自信に合うよう、Nさんは現実をこう解した。


 他の予備校生たちが「このバカ」「うぜえ(ここはお前の居場所では無い)」と言ってくるのが、聞こえる、って。


 嫌がらせをされている、って。


4/9に戻る←) (5/9) (→6/9へ進む

 

 

今回の最初の記事(1/9)はこちら。


Nさんのこの事例は全6回でお送りします。

  • part.1(短編NO.33)

  • part.2(短編NO.34)

  • part.3(短編NO.35)

  • part.4(短編NO.36)


   今回

  • part.5(短編NO.37)

  • part.6(短編NO.38)


このシリーズ(全48短編を予定)の記事一覧はこちら。