(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

原因を特定しようとして医学がハマるいつもの繰り返しについて確認する〈1/3〉

*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第8回

目次
・原因とは何か
・原因は特定できるか
・都合の良いデータしか見ないで原因を特定する

◆原因とは何か

 こういうことでしたね。


 医学は、ひとの身になろうとする代わりに、身体に起こる出来事を一点のせいにする。すなわち、

  • 出来事が好ましい場合には、すべてを或る一点のおかげとし、その一点を過大評価する。
  • かたや出来事が好ましくない場合には、排外主義者よろしく、すべてを或る一点におっかぶせ、その一点をとり除きさえすればいいとするんだ、


 って。


 だけど、とり除くも何も、その一点を特定しないことには何もはじまりませんね?



 医学がその一点をどのように特定しようとするのかいまから簡単に見ていきます


 せっかくですし、ビリヤードの例を引きつづきもちいて見ていくことにしますか、ね? 9番ボールがコーナーポケットに落ちるという出来事を、一点のせいにできると考えるとどうなるか、想像してみましょうか、ね?


 9番ボールがコーナーポケットに落ちるのを或る一点のせいにするっていうのは、その一点を、状況に関係なく9番ボールをコーナーポケットに落とすものとすることじゃないですか。そうして、その一点があれば当然、9番ボールがコーナーポケットに落ちるってことにすることじゃないですか、ね?


 なに言ってるかわかりにくいですか? なら、もっとわかりやすい例で補足してみます?


 まえのほうで、雨降りを、その場に居合わせた誰かひとりのせいにし、雨女だとか雨男だとかとよんで糾弾するのを、出来事を一点のせいにする卑近な例として挙げたじゃないですか。そのように雨降りを誰かひとりのせいにするっていうのは、その誰かを「状況に関係なく雨を降らせるもの」(これを世間では雨女とか雨男とよぶんじゃないですか、ね?)とすることですよね。そのひとがいれば当然雨が降ってくるってことにすることですよ、ね? 


 ちょっとでもわかりやすくなりましたかね?


 いま卑近な例をもちいて確認しましたように、出来事を或る一点のせいにするっていうのは、その一点を「状況に関係なく当の出来事を起こすもの」とすることじゃないですか。そうして、その一点があれば当然当の出来事が起こってくるってことにすることじゃないですか、ね? 「状況に関係なく当の出来事を起こすもの」というそれこそ、科学が、当の出来事を起こす原因とか、当の出来事の原因といったふうに表現するもののことなんじゃないですか、ね?


 つまりですね、最初に言ったじゃないですか。9番ボールがコーナーポケットに落ちるのを或る一点のせいにするっていうのは、その一点を「状況に関係なく9番ボールをコーナーポケットに落とすもの」とすることだ、って。その「状況に関係なく9番ボールをコーナーポケットに落とすもの」っていうのを、科学なら、9番ボールをコーナーポケットに落とす原因って表現するんじゃないかってことですよ。


今回は記事を〈1/3〉〈2/3〉〈3/3〉の3つに分けてお送りします。


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