*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第10回
目次
・医学の出来事観の復習
・医学の物質観(3つの表現で)
・物質の現実(アルコール、コーヒー、毒、薬)
◆医学の出来事観の復習(読み飛ばしてもらっても支障ありませんよ)
医学は、ひとの身になろうとする代わりに、身体に起こる出来事を一点のせいにするってことでしたよね。ここまで、その、出来事を一点のせいにするっていうのがどういうことか見てきました。こういうことでしたね。
1.出来事を一点のせいにするというのはつぎのような論理である(第6回)。
- ①出来事が好ましい場合には、すべてをその一点のおかげとし、その一点を過大評価すること。
- ②出来事が好ましくない場合には、すべてをその一点におっかぶせ、その一点をとり除きさえすればいいとすること(排外主義の論理)。
2.しかし、身体に起こる出来事を一点のせいにすることはできない。物理学も化学も、出来事を一点のせいにできるなどと教えてこなかった(第7回)。
3.身体に起こる出来事を一点のせいにするというのは、その一点を「状況に関係なく当の出来事を起こすもの」(当の出来事を起こす原因)であることにし、その一点があれば、当然、当の出来事が起こってくる、ということにすること(第8,9回)。
- ①しかし、そんな一点(原因)はこの世に存在しない(そんな一点を特定したと言っているひとは、都合の良いデータしか見ていない)。
- ②それでもそうした一点(原因)を特定しようとすると、つぎのことが起こる。
(a)いくつかの都合の良いデータしか見ないで、誰かがそうした一点(原因)を特定したことにする。
(b)追試でその説の真偽を確かめようとした他のひとたちが、その説には都合の悪いデータに出くわし、その説に異議を申し立てることになる。
(c)そこで医学は、誰かが挙げたその一点を、探し求めている一点(原因)の一片であることにしておいて、再度、特定作業をやり直す。
(d)以後、上記(a)から(c)のくり返しが何度も起こり、探し求めている一点(原因)の一片とされるものがやたらめったら増えていく(それら一片同士を都合良く結びつけて、当の出来事が起こるメカニズムであることにする)。
さて、こうして確認してきたのはいったい何ですかね? 言ってみれば、医学の出来事観、じゃないですか、ね?
さあ、では、ここからは、医学の物質観のほうを見ていきますよ。
前回(第9回)の記事はこちら。
このシリーズ(全12回)の記事一覧はこちら。