*医学は喩えると、空気の読めないガサツなおじさん第7回
目次
・医学は誤った論理にもとづいて研究・治療する
・物理学・化学は出来事を一点のせいにしたりしない
・力学を例に考察する
◆医学は誤った論理にもとづいて研究・治療する
医学はひとの身になろうとしません、ね? じゃあその代わりに何をするのか。
身体に起こる出来事を一点のせいにするってことでしたよね。
出来事を一点のせいにするっていうのはこういう論理であるとのことでした。
- ①出来事が好ましい場合には、すべてをその一点のおかげとし、その一点を過大評価する。
- ②出来事が好ましくない場合には、すべてをその一点におっかぶせ、その一点をとり除きさえすればいいとする。
後者②はそれこそ、排外主義の論理そのものであるとのことでしたね。
でも、出来事を一点のせいにすることなんかできないって最初に確認したじゃないですか。実際、出来事を一点のせいにする見方でやってきた医学の研究とか治療とかってどうですかね? うまくいっていると胸張って言えそうですかね?
ガン一点にすべてをおっかぶせ、ガンをとり除きさえすればいいとして臓器ごとごっそり摘出したり、非常な苦しみをともなう抗がん剤投与をドシドシしたりしてきたガン治療はどうですかね? かなり悲惨なことになったんじゃないですかね?
「がんと闘うな」論争集―患者・医者関係を見直すために (メディカルトリビューンブックス)
- 作者: 近藤誠
- 出版社/メーカー: 日本アクセルシュプリンガー出版
- 発売日: 1997/11
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログを見る
(チュージング・ワイズリーのなかに「早期がん発見を目的にした検診はやめる」という項目があるみたいですね? 下の記事の3ページ目ですよ。)
そうそうガンといえば、ガン研究、あれなんか、ガンが身体のなかにできるという出来事を遺伝子のなかの変異一点のせいにしようとしてうまくいかず、行き詰まったクチだったんじゃなかったでしたっけ?
感染症治療なるものはどうですかね? すべてをウィルスもしくは細菌一点におっかぶせ、そうした一点をとり除きさえすればいいとして、抗ウィルス剤または抗菌剤を投与してきた治療、もしくはワクチン接種をしてきた予防に、闇は伴いませんでしたかね?
認知症を脳のなかのアミロイドβ(老人斑)という物質一点のせいにして(当初からアミロイドβのせいにすることに反対があったはずなのに)、その一点をとり除きさえすればいいとし、そのための薬剤をひとに投与してきた結果、どうなってますかね? たしか最近読んだ記事には、フランスで使用中止が勧告されたと書いてあったような気がしますけど、実際どうなんですかね。
記事と言えばまたぞろひとつ思い出しましたよ。AさんがBさんに惹きつけられるというのは、Aさんの身体から出たフェロモンなる物質がBさんの身体のなかに入って引き起こす出来事なんだって、科学者は長らく説明してきましたよね。そのように科学は、ひとに惹きつけられるという出来事を身体のなかの一点のせいにできるとしてきました、ね? けど、フェロモンの候補としてあがっていた物質がふたつとも、効果がなかったと明らかになったって、最近、記事になってたじゃないですか、ね?
以上、みなさん、どう思います? 研究や治療のこうしたハカバカしくない結果って、身体に起こる出来事を一点のせいにすることなんかできないってことを、暗に示しているんじゃないのかなって思いません?
前回(第6回)の記事はこちら。
このシリーズ(全12回)の記事一覧はこちら。