(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

機械なんかでは決してないことが明らかな身体を科学が機械と決めつける、嗚呼、あの不幸な瞬間(2/6)【医学がしばしばしばみなさんに理不尽な損害を与えてきた理由part.6】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」の短編NO.52


◆存在の客観化(作業2)

 ついで、科学は「存在の客観化」と俺が名づけた存在改悪作業をつづけざまに為し、存在(物、音、匂い、味、身体等)を、一瞬一瞬答えるものから、答えることのないものにすり替える。「他のものたちと共に在るにあたってどのようにあるか」という問いに。


 すなわち「ただただ無応答でそこに在るもの(客観的なもの)」にすり替える。


 では、その「ただただ無応答でそこに在るもの」とは具体的には何かというと、それは、「どの位置を占めているか」ということと、「どんな力をもっているか」ということしか問題にならない、この世の最小の何か(元素という名で、その存在を想定されてきたもの)の寄せ集め、ということでした。


 そうして科学は、心の外に実在しているのは「どの位置を占めているかということと、「どんな力をもっているかということしか問題にならないこの世の最小の何か元素だけということにする、とのことでしたね(これをと名づけておきます)。

 

-----

この作業を見た場所はこちら。

-----

 

 以上、いまざっと再確認したところを念頭に置きながら(①と②を使いながら)、これから、機械ではない身体を科学が機械にすぎないと決めつける不幸な瞬間を、まざまざと目撃していきます。






1/6に戻る←) (2/6) (→3/6へ進む

 

 




*前回の短編(短編NO.51)はこちら。


*このシリーズ(全61短編を予定)の記事一覧はこちら。