*認知症の人間の言動は理解不可能か・第16回
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◆④情動失禁(感情をコントロールできない)
では最後に、④「情動失禁(ささいなことですぐ涙ぐんだり、笑ったりする現象で感情をコントロールできない)」を見て終わろう。
ひとつ想像してみてほしい。
自分が、脳卒中に見舞われて手足が麻痺し言葉が自由にならない状態を突然強いられることになったら、みなさんの精神状態はどうなるか。
感受性が以前より敏感になってもおかしくないとは思わないだろうか。
たとえば、ひとは歳をとると涙もろくなるとよく言われる。経験を積むとともに物の機微を察知できるようになり、以前なら何にも感じなかったことのうちにも意味や意義が見えてきて、胸や目頭が熱くなったりするようになる。
脳卒中に見舞われて手足が麻痺し言葉が自由にならない状態を突然強いられることになり、さまざまな苦難、苛立ち、失望を経験することになったひとが物の機微により気付き、敏感に反応するようになったとしても、それは筋の通った話ではないだろうか。もしそういうことなら、それを「情動失禁」と名づけ、「異常」扱いして「理解不可能」な言動の烙印を押すことは人間理解を拒む態度であることになる。
とはいえ、ひょっとすると全く別の事情によるものかもしれないけれども。
2025年12月22日に文章を一部修正しました。
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