*認知症の人間の言動は理解不可能か・第16回
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◆⑥「激しい物忘れ」
アルツハイマー型認知症を検証しているときに一番初めに見た症状なるものは「物忘れが次第に激しくなる」で、それはこういう出来事ではないかと推測した。
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アルツハイマー型認知症の「物忘れが次第に激しくなる」について考察した回。
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それまでなら集中してすることのできていた、たとえば料理や言葉を交わすといったことに意欲や興味が減退していて集中できず、「上の空」でそれらのことをすることしばしばになった。その結果、「上の空」でしていたことはついいまさっきのことでも、思い出すのは難しいという物の道理に従うことになって、「上の空」でしていたその何かを、ついいまさっきのことであるにもかかわらず、思い出せなくなる、ということではないか、と。
それとおなじ「物忘れ」がこの血管性認知症でも起こり得るということである。手足が麻痺し言葉が自由に喋れなくなった突然の現実にがっくりと気落ちし、それまでなら意欲や興味をもてていたことに対して意欲や興味がもはや湧いてこず、集中できなくなって、そうしたことを「上の空」ですることしばしばになった。その結果、アルツハイマー型認知症のとき同様、「上の空」でしていたことはついいまさっきのことでも、思い出すのは難しいという物の道理に従うことになる、というのがここでの⑥「激しい物忘れ」ではないか。
けれども、この⑥「激しい物忘れ」には次のただし書きがあった。
ただし、判断力、計算力、常識などが維持されていることが多く、「まだら認知症」といわれることがある
だが、このアルツハイマー型認知症との違いもむしろ当たり前のことではないか。
ひとつ考えてもみてほしい。
2025年12月22日に文章を一部修正しました。
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