*認知症の人間の言動は理解不可能か・第7回
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ここまでA(初期段階)の①「物忘れが次第に激しくなる」と②「段取りを立てて物事を行うことができなくなる」を点検したけれども、今回見る③「不安、不穏(落ち着きのなさ)、うつ状態」は、その①と②での俺たちの推察を裏付けるものとなる。
どういうことか。
まずA(初期段階)の①「物忘れが次第に激しくなる」はこういうことではないかと俺たちは推測した。
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Aの①についての考察
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食事や曜日の確認といった、これまでなら集中してできていたことに、意欲や興味が減退していて集中できず、「上の空」でそうしたことをしている。で、そのように「上の空」でしていたことはついいまさっきのことであっても、思い出すのは難しい、という物の道理に従うことになって、ついいまさっきしたばかりの食事のことや、ついいまさっき確認したばかりの曜日や日にちを思い出せない、ということではないか、と。
いっぽうAの②「段取りを立てて物事を行うことができなくなる」についてはこうした推論を立てた。
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Aの②についての考察
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Aの①と同じく、言葉のやりとりや料理といった、これまでなら集中してできていたことに、意欲や興味が減退していて集中できず、「上の空」でそうした作業をしている。その結果、「上の空」では事をし損じる、という極々当たり前の物の道理に沿うことになったのではないか、と。
このようにA(初期段階)の①と②というのは、これまでなら集中してできていたことに、意欲や興味が減退していて集中できず、そうしたことを「上の空」でしているそんな状態を指すのではないかということだったが、その「意欲や興味が減退している」とする推測を今回の③「不安、不穏(落ち着きのなさ)、うつ状態」が裏付ける、ということである。
その③のなかの「不安」は「意欲や興味を減退させるもの」ととることができ、いっぽう「不穏(落ち着きのなさ)」は「意欲や興味が減退していて(集中できていない)」に相当するのではないか。
では、「うつ状態」はどうか。それもまた「意欲や興味が減退している」に当たると思われるが、もう少しこの「うつ状態」を具体的なありようで見て、そのことを確認してみたい。