*認知症の人間の言動は理解不可能か・第1回
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よく考えてみると信じられないことであるけれども、この世には、権威ある学問に「理解不可能」な人間という烙印を押されてきたひとたちが存在する。俺たちは、そうした存在に思いを巡らせるときみなさんが真っ先に念頭に浮かべるであろうひとたちについて、先だってしばらくのあいだ考察した(注1)。それは統合失調症と診断されてきたひとたちであり、そのひとたちが決して「理解不可能」なんかではないことを理論的にまず証明し(注2)、その後、複数の事例をもってその理論的証明の確かさを検証していく(注3)という形をとった。
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(注1)その考察
(注2)そのひとたちが理解不可能ではないことの理論的証明
(注3)具体例を複数挙げてその理論を検証
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そしてそんな俺たちが今からとり挙げるのは、その統合失調症の次にみなさんが、「理解不可能」の烙印を押されてきた存在として念頭に思い浮かべるであろう、いわゆる認知症のひとたちである。そのひとたちの言動が決して「理解不可能」なんかではないことをこれから確認していくわけである。
が、その前に今回はひとつ準備作業をしてみようと考えている。
つぎの2024年2月10日付けの記事(同月12日に更新されている)をその資料として用いる。認知症のなかのひとつに分類されるアルツハイマー病なるものにED治療薬が有効であると示唆するニュースである。
ED治療薬、認知症に効果か 発症率18%低下―英大学調査
2024年02月10日19時01分配信
米製薬大手ファイザー製の男性機能不全(ED)治療薬バイアグラ=2003年5月5日、アメリカ・ニューヨーク(資料写真、AFP時事)
【ロンドン時事】「バイアグラ」などの男性機能不全(ED)治療薬を服用する男性は、アルツハイマー病を発症するリスクが18%低いとする調査結果が、学術誌「ニューロロジー」に7日発表された。認知症研究慈善団体アルツハイマーズ・リサーチUKは「既に認可されている薬を利用できれば、認知症の原因となる疾患の予防や治療に新たな道を開くことができる」と指摘している。
ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究者が、EDと診断された40歳以上の男性26万人超のうち、診断後にアルツハイマー病を発症した約1100人を調査。ED治療薬の服用者は非服用者より発症率が18%低いことが分かった。
URL: https://www.jiji.com/jc/article?g=int&k=2024021000398最終アクセス:2024年12月23日19:00
今回は、身体に起こる出来事を医学がどのように説明するか、この記事を使って考察する。
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