*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.41
◆健康、病気という言葉の意味からも考える
でもそのことを、いちおう、別の角度からも簡単に確認してみますよ。
病院とは病気を診てもらいに行くところです。ではみなさんにとって、健康や病気とはそもそもいったい何を意味しますか。
健康とは「健やかに康らかに」と書きますね。ふだんのみなさんにとって、健康という言葉は、「苦しんでいない」ということを表現するものではありませんか。
かたや病気とは「気を病む」と書きますね。「気を病む」とは苦しむということですね? ふだんのみなさんにとって、病気という言葉は、「苦しんでいる」ということを、その苦しみが手に負えないようなときに表現するものではありませんか。
そのようにみなさんがふだん、やれ健康だ、やれ病気だとしきりに言うことで争点にするのは、苦しくないか、苦しいか(快いか、苦しいか)、ではありませんか。みなさんが病院の診察室や病室で争点にするのも、当然、そのことではありませんか。みなさんがそこで医師相手に「訴える」のも苦しさであり、また、そのときに「要望」するのも、苦しまないで居てられるようになること、ではありませんか。
2021年8月12日に文章を一部修正しました。
*今回の最初の記事(1/7)はこちら。
*前回の短編(短編NO.40)はこちら。
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