(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

みなさんが診察室や病室でする「訴え」と「要望」は(精神)医学には届かない(3/7)【統合失調症理解#19】

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.41


◆この女性の「要望」は何か

 いま、女性の訴えが、「苦しさ」を訴えるものであることを確認しました。では、つぎに、その女性の「要望」のほうに考察を移しますね。


 女性は、ブスと言われることが無くなるよう整形手術をしてほしいと医師に「要望」していたとのことでしたよね。


 それは何を「要望」するものと言えるか。


 それは、ひとにブスと思われているのではないかと気になって仕方がないその「苦しさから、整形手術で顔を変えることによって解放されることを「要望」するもの、つまり、「苦しまないで居てられるようになることを要望するもの、と言えるのではないでしょうか。


 以上、女性が病院の診察室で「訴え」、「要望」していたのがそれぞれ何だったのか、まず確認しました。女性が診察室で「訴え」ていたのは苦しさであり、いっぽうそのときに「要望」していたのは苦しまないで居てられるようになること(快くなること)、であるとのことでしたね。


 どうですか、それは、みなさんの場合にも言えることではありませんか。みなさんが病院の診察室や病室で、目が見えにくいとか、息がしにくいとか、気分が鬱々とするとかと言って「訴えるのも苦しさ、ではありませんか。またそのときに、目がよく見えるようになりたいとか、息がしやすくなりたいとか、気分が晴れるようになってほしいとかと言って「要望するのも苦しまないで居てられるようになること、ではありませんか。


 ちがいます? いや、ちがいはしませんね?





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*前回の短編(短編NO.40)はこちら。


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