(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

統合失調症の「思春期に発症し、典型的な経過がみられたケース」を理解するpart.3(統合失調症理解#16)(4/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.35


◆わかってはいるが、できない

 そして、そのように勉強にうまく集中できないでいたNさんは、アイドルのことに没頭していったということでしたね。勉強する代わりに、いろんな図書館から、古いアイドルのCDを借りてきては、気に入った曲をカセットテープに録音するといったことを繰り返し、むしろ生き生きとしているように当時見えていたということでしたね。


 だけど、そんなNさんも、勉強しないといけないとは重々わかっていたに違いないとみなさん、思いません? でも勉強が手につかない。で、そうこうするうちに成績も落ちるところまで落ちてしまった。生き生きしているように見えてはいても、内心Nさんは追い詰められていたかもしれませんね。


 このように、わかってはいてもなかなかできないことって、世のなかにたくさんありません? 禁煙しないといけないとはわかっているが、できないとか、禁酒しないといけないとはわかっているが、できないとか、運動しないといけないとはわかっているが、できないとか、わかってはいても、つい食べ過ぎてしまう、ギャンブルや不倫がやめられない、とか、ね?


 わかってはいても、できないでいる、そうしたNさんの状態に、同情できるひと、世のなかにはたくさんいるのではないでしょうか。


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今回の最初の記事(1/8)はこちら。


Nさんのこの事例は全6回でお送りします。

  • part.1(短編NO.33)

  • part.2(短編NO.34)

  • Part.3(短編NO.35)


   今回

  • part.4(短編NO.36)

  • part.5(短編NO.37)

  • part.6(短編NO.38)


このシリーズ(全48短編を予定)の記事一覧はこちら。