(新)Nothing happens to me.

科学には人間を理解することが絶対にできない理由がある

〝統合失調症〟に見られた2つのパターン(6/6)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.32


 とはいうものの、結局はこの型も、さっき見た「現実修正解釈」型であると言ってしまったほうが、もしかすると、いいのかもしれないと考えないでもありません。


 だって、箇条書きにするとこう言い直せません?

  • ①牛の怪物が見えたと錯覚する(現実)。
  • ②自分が錯覚しているはずはないという自信がある(現実と背反している自信)。
  • ③その自信に合うよう、現実をこう解釈する。「ほんとうに牛の怪物がいたんだ」(現実修正解釈

 

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いま復習したのは、下の記事です。

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 以上、今回はこういうことでした。


 昨年2020年の2月頃から、統合失調症と診断されたひとたちの、いわゆる症例なるものをいろいろと見させてもらいながら、そのひとたちが医学の見立てに反し、ほんとうは「理解不可能」なんかではないことを「実地」に確認してきました。今回は、そうして実地に見させてもらってきた、いわゆる症例なるものを2種類に分け、それぞれを、「現実修正解釈」型、「勝手にひとつに決めつける」型と名づけたあと、一例ずつ用いながら、簡単に確認した、という次第です。






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次回は1月18日(月)21:00頃にお目にかかります。


2021年11月15,16日に文章を一部修正しました。


*今回の最初の記事(1/6)はこちら。


*前回の記事(短編No.31)はこちら。


*このシリーズ(全49回を予定)の記事一覧はこちら。