*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.19
以上、今回は、ハウス加賀谷さんの、いわゆる幻聴体験を見てきました。(精神)医学はこうした体験をこれまで、「人間の知恵をもってしては永久に解くことのできぬ謎」だ、「了解不能」だ、と決めつけてきましたよね。で、脳がおかしくなって起こる不可解な現象なんだと説明してきましたね。
だけど、こうして見てきて、どうですか。みなさん、ほんとうに「理解不可能」だと思いましたか。
いや、思いませんでしたよね?
もちろん、いまハウス加賀谷さんのことを完璧に理解し得たと言うつもりは俺にはサラサラありませんよ。完璧に理解し得ただなんて、めっそうもないことですよ。むしろ、多々誤ったふうに決めつけてしまったのではないかと自責され、心苦しいくらいですよ。
でも、ハウス加賀谷さんのいわゆる幻聴体験がほんとうは「理解可能」であるということは、さすがにいまの考察からでも、十分、明らかになったのではありませんか。
みなさんのように、申し分のない人間理解力をもったひとたちになら、ハウス加賀谷さんのこうした幻聴体験は完璧に理解できるということは、いま十分にハッキリしたのではありませんか。
次は翌週7月27日(月)21:00頃にお目にかかります。ハウス加賀谷さんの、いわゆる幻覚体験を見させてもらう予定にしています。
2021年9月13,15日に文章を一部修正しました。
*今回の最初の記事(1/7)はこちら。
*前回の短編(短編NO.18)はこちら。
*このシリーズ(全43短編を予定)の記事一覧はこちら。