(新)Nothing happens to me.

科学の欠点、限界、見落としている大事なもの

統合失調症の「監視されている」「数字が合図を送ってくる」「盗聴されている」を理解する(統合失調症理解#4)(5/8)

*短編集「統合失調症と精神医学と差別」から短編NO.11


◆盗聴されている(ⅰ)

 男性は「自分の部屋に帰っても落ち着かず、『盗聴されている』と、電話を分解したりした」と書いてありましたね。それはいったいどういうことだとみなさん思いました?


 でも、そんな短い記載からだけでは何とも想像のしようがありませんね?


 ただ、「盗聴されている」というその訴えから、こういう推測はできるような気がしませんか。盗聴されていると考えるのでなければ説明のつかないことが男性にはあったのではないか、って。


 そう考えると、こういう想像も可能になってきません? あるとき、上司が男性におまえ俺の悪口を陰で言ってるだろ全部わかってるんだぞ!」といったようなことを言ったのかもしれない、って。


 上司は当てずっぽうでそう言った。それまで男性にさんざ酷いことを言ったり、したりしてきた経緯から、男性に陰口をたたかれているにちがいないと上司が考えたのだとしても、何ら不思議はありませんよね?


 だけど、男性はそうは受けとらなかった。上司の、「おまえ、俺の悪口を陰で言ってるだろ。全部わかってるんだぞ!」という脅しを素直にとった。つまり、男性が家で上司の悪口を言ったのがほんとうに上司の耳に入ったのだととった。


 もしそうなら、男性はこう考えたでしょうね。「盗聴されている」って。


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